No 62 新美南吉生誕祭開幕式典・ことばの杜朗読会

7月27日(土)に雁宿ホール(半田市福祉文化会館)で開催された「新美南吉生誕祭開幕式典」と「ことばの杜朗読会」に行ってきました。

「新美南吉生誕祭開幕式典」では、新美南吉に半田市名誉市民章が贈呈されました。もちろん故人にはお渡しできませんので、遺族代表で甥にあたる渡辺様が受け取られました。

感心したのは、新美南吉の後輩にあたる半田高等学校放送部の女子生徒の司会でした。しっかりと練習されたのでしょうが、セーラー服でなければプロと間違うほどの見事な司会でありました。

「ことばの杜朗読会」では、半田市内の小学生の代表26名と先生方による「ごんぎつね」の読み語りなどがありました。元NHKアナウンサー山根基世さんから手ほどきを受けた子どもたちは、オーバーな読み語りではなく、「話すように読む」という基本の練習を繰り返したということです。さらに朗読の練習だけではなく、内容や言葉の意味を調べ、お話の舞台となった場所を歩き、風を感じ、土の匂いを嗅ぎ、五感で物語を受けとめるため、ワークショップを重ねてこの日に備えてきたということでした。最初から最後まで、全員が立ち上がったまま、順に読み語りを披露してくれました。わかりやすく、聞きやすく、素晴らしい読み語りでした。

南吉の童話は、親から子へ、子から孫へ語り継がれていきます。子どもの時に親から聞いたお話を、親になった時にもう一度物語の内容に触れ、そして子どもに読み聞かせていく、そうして南吉の童話はずっと繋がっていくと思います。南吉童話の持つ凄さをあらためて実感しました。

私の年齢になれば、誰しも「自分の役割」や「社会貢献」ということを考えます。南吉が自身の余命を知っていたかはわかりませんが、15歳の時の日記には、驚くようなことが書かれています。幼い頃に母が亡くなり、その後養子に出され、養母(祖母)との二人きりの生活の中で孤独と寂しさを味わった南吉の心、自分の居場所や人との絆を求め続けた心、そして自身の夢と理想を日記に残したのではないかと思います。それでは、どのような思いを日記に綴ったのか、新美南吉生誕百年・公式ガイドブックに記載されている「南吉15歳の日記より」を紹介させていただきます。

『余の作品は、余の天性、性質と大きな理想を含んでいる。だから、これから多くの歴史が展開されて行って、今から何百何千年後でも、若し余の作品が、認められるなら、余は、其処に再び生きる事が出来る。此の点に於いて、余は実に幸福と云える。(南吉15歳の日記より)』

 

 

会場となった雁宿ホール(半田市福祉文化会館)大ホール。

会場となった雁宿ホール(半田市福祉文化会館)大ホール。

 

 

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