本校の学校教育に関連したの校長日記です。お時間のある時にお読みいただければ幸いです。
6月4日(日)「猿沢商店街」
歴史遺産の見学が多い修学旅行で、子どもたちにとって別の楽しみが「夜の買い物」です。活動場を提供していただけるのが、天平旅館から歩いて3分程度の場所にある「猿沢商店街」です。猿沢の池近くの沿道で、十数店舗の出店が営業しており、修学旅行児童生徒向けの比較的安価なお土産を提供してくださっています。コロナ禍では、閑古鳥がないている状況で閉店状態も目立ちましたが、旅館からの事前連絡で、ご厚意で南知多町の小学校が訪れる時間帯だけ営業してくださったこともありました。今年は、以前の賑わいが戻り複数の学校の修学旅行生が入り乱れ、家族のために真剣にお土産を選ぶ姿が想像されます。家族と離れたからこそ、家族との日常に感謝し、帰宅時の喜ぶ顔を思い浮かべる時間をもつことも、修学旅行の隠れた目的の一つです。(お小遣いは、決められた金額の範囲内で。モノより思い出を学ぶ機会として)


6月3日(土)「危機管理」~大雨対応ドキュメント~
今朝6時前に電話が鳴り、学校教育課長Sさんから「大雨警報解除に伴い、町災害対策本部を廃止しました」とのご連絡をいただきました。昨夕連絡をとったときには、電話の向こうでいろいろな声がとびかっており、数年に一度の大雨に、一晩本部につめて町民の安全を守ることにご尽力いただいたことに感謝しかありません。
一昨日1日夕刻、町教育委員会・南知多中学校と連絡をとり、2日の授業短縮の可能性について協議しました(この時点ではメール配信を控えました)。翌朝想定していた天候となり、南知多中学校長より「授業短縮の予告メールを配信し、日間賀島から通う生徒が安全に帰宅できるよう下校時刻を早めたい」と連絡を受けました。中学校区内の4小学校にも事前に通知をして、それぞれの学校の実情に即した対応がとれるよう保護者へのメール配信の前に、メール文を各校に配信することをお願いし、本校も保護者への予告メール文の用意に入りました。
半島側小学校3校も、スクールバスの運行を変える必要があり、業者との調整、学童保育・放課後デイサービス通所児童の確認、緊急下校時の「学校待機」希望の者の確認など、保護者への下校時刻の確定メールを流すまでに調整することを整理しました。雨雲レーダー予想画面をにらみしながら、大雨が夕刻まで続く予報を根拠に、5時間授業終了で学童保育へそのまま児童を輸送できる14:15下校を決定し、10:40にメール配信しました。中心となって情報整理してくれた教頭・教務主任の二人は、授業も担っており、職員室と教室を行き来しながら、適切な対応に尽力。緊急下校担当の校務主任が、下校体制を整理し午後1時過ぎには、校長・教務・校務主任が、校区を回り、通学路の最新の状況を確認し、一部通学班の保護者お迎えを依頼する内容を追加しメール配信しました。その間、始業前、大放課、昼放課と3回職員が集まり、最新の情報と児童への配慮の共通理解を図りました。
児童が不安にならないように、在校時間内はできるだけ通常の生活が送れるよう努めた担任・教科指導の先生の配意もあり、下校時は手を振りながら児童は笑顔で徒歩下校やバス、保護者のお迎え車に乗車することができました。正門付近ですれちがった下校途中の校区内の南知多中学生も、笑顔であいさつしてくれ、日間賀島の生徒も下校できた情報を聞き安堵しました。
数年に一回程度の緊急下校ですが、経験と反省の蓄積で、さらに大きな十数年の一回の災害時の適切な危機管理につながります。災害は学校だけでは防ぐことができません。今後も、学校間、地域、保護者、関係機関との強い連携を維持拡充していく必要があると教えられた今回の大雨でした。ご家庭によっては、急な対応で困惑、ご迷惑をおかけしたことと存じます。重ねてお詫び、お礼を申し上げます。
6月2日(金)「東大寺」
思いがけない大雨に水を差されてしまいましたが,カウントダウンは進み,来週は6年生修学旅行が控えています。奈良・京都を巡る旅は,この地方の小学校の定番となっていますが,見学地の感動は事前調べによって変わるといっても過言でありません。1000年以上立ち続ける五重の塔も,世界で一番大きな木造建築物の中にある16m(本校の校舎より高い)の大仏も,事前学習なしには感動が目減りしてしまいます。小学校の修学旅行(奈良・京都)引率は,17回目となりますが,感動は決して色あせることはありません。数を重ねる度に,視点が異なり,前回気づかなかったことを見つける新たな感動もあります。有名な東大寺に何度か行った頃,「東大寺があるのなら,西大寺はあるの?」,「若草山はどうしてはげ山?」,「奈良から京都に都が移ったのはなぜ?」など,いろいろな疑問が生まれ,歴史の奥深さを楽しんでいます。6年生は,どんな疑問をもって事前調べをし,現地で自分の目で答えを見つけてくるのか楽しみにしています。(7日 奈良 降水確率70% 「いい天気をあきらめない!」)

6月1日(木)「バイアス」
2011年3月東日本大震災の後の検証で、多くの震災死につながった要因の一つとして浮上したのが「正常性バイアス」でした。「自分はだいじょうぶ」「きっとたいしたことない」と、十分な根拠なく「正常」でいようとする偏った見方をする心理です。それにより、避難が遅れ、津波にのまれてしまった人も多いと聞きました。先日の事件で、心理学者の見解で出てきた言葉が、「認知バイアス」でした。散歩で自宅前を通る人に対して「自分の悪口を言っている」と決めつけたり、かけつけた警察官を「自分を射殺しに来た」と決めつけたりして、攻撃してしまった事件の犯罪者の心理は闇に包まれています。自分のものの見方・考え方は、バイアスがかっていないか?内省しつつ、突然の死を迎えられた被害者とそのご家族のためにも、真相の解明を注視しています。
5月31日(水)「梅雨」
梅の実の収穫期の長雨ということで「梅雨」ですが、今年の梅雨入りは、10年ぶりに異例の早さとなりました。例年は、沖縄地方から少しずつ梅雨前線が北上しますが、今年は、突然本州上に梅雨前線が西からやってきたように見えます。地球温暖化で、本州が沖縄地方のような亜熱帯の気候になり、梅雨がないと言われてきた北海道も長雨の時期が生じることも希ではなくなるかもしれません。農村文化で生まれた「晴耕雨読」。「耕」や「読」には、人それぞれのコトバを入れ、雨を嘆くのではなく、晴れではできないことをする時間とプラスに捉えたいものです。とはいうものの、天候による日程の入れ替えができない修学旅行は、バス移動と宿以外は、雨が降っていないことを期待してしまいます。晴れ男と雨男の勝負です。(天気予報 7日 奈良市 降水確率50%)
5月30日(火)「定着」
学力の定着には、①学んだことのふりかえりと②睡眠による学習内容の整理整頓が必要です。ふりかえりのない授業展開や家庭学習の欠如(=インプットのみでアウトプットがない)は、学習内容の“垂れ流し”となります。また、ゲームや動画視聴など、脳を刺激し、興味・興奮が連続する時間の過ごしも多すぎると、定着する前の学習内容を“押し流し”て、睡眠不足がそれに拍車をかける結果となります。子どもには一人一人発達特性があり、相対的な成績の善し悪しで評価すべきではありません。スポーツで例えれば、小中学生では目立った選手ではなかったけれど、10代後半から大きく飛躍する選手は珍しくありません。大切なことは学びに向かい続けることで、大切な見方(評価)は、「その子の知能に応じた学力は身についているか」ということです。ちなみに、脳科学の研究では、徹夜型の集中学習より、日々のコツコツ学習の方が、長期的な学力の定着は格段によいことがわかっています。人生の選択肢を増やす学力を育むため、適切な学習習慣・心身の健全な発育を促す生活習慣を学校・家庭が連携して担っていく必要があります。
5月29日(月)「戦争をやめた人たち」
先日の読書タイム、6年生への読み聞かせで取上げた絵本です。ウクライナ戦争をやめられない現在の世界。人類は何度も大きな戦争をしてきましたが、未だに自分からやめる方法がみつかりません。そんな世界への手引きとなるでしょうか。読み聞かせの前に、「戦争をやめるためには、どんな力が必要だと思いますか?」と、6年生に尋ねました。「腕力」や「お金の力」など、現実的な答えが返ってきましたが、この絵本の題材は、第一次大戦下の実話です。読み聞かせは上手ではありませんが、子どもたちはどうやって戦争をやめたのか興味津々で聞き耳を立ててくれました。このお話の答えは、「歌の力」「スポーツの力」「相手のことを思いやる想像の力」でしょうか。詳細は、ぜひ本を手に取ってご覧ください。ウクライナ、ロシア双方の戦場で戦う人たちが、このエピソードを知っていることを願ってやみません。
*昼放課の図書室、雨で多くの児童がやってきました。その中の6年生男子が、「校長先生、この前の戦争をやめた本はどこにありますか?」と尋ねてきてくれました。ちょうど新刊図書コーナーに、表紙が見えるように置いてくれてあったので、「あそこだよ」と、にこにことと指さしました。先生冥利に尽きる瞬間でした。
5月27日(土)「天狗さん」
学校周辺のフェンス外から伸びたたくましいつる草が、照明灯の電線にからんでいることを、先日点検に来た中部電気保安協会の方から指摘を受けました。プールの浮き草ではありませんが、夏にかけてつる草は学校にとっては残念ながらやっかいな相手です。絡みついてとれなくなる前に除草しようと、フェンスの外で格闘していると、昼放課外遊びをしていた児童が、「だれかいる!」と声をかけてきました。私の姿は見えないようなので、思わず「みさき小の山にいる天狗様だ」と応えてしまいました。「えっ、だれ?」と、「天狗」を理解していないようなので、深入りせず切り上げようと、「5時間目の授業に遅れないように、早くいくのじゃぞ」と、促しましたが、「(学校のことを)なんで知っているの?」と、フェンス際に近づいてきてしまいました。返す言葉がないので「それは、天狗様じゃからだ。」と、不可解な返答しかできませんでした。校舎の方から、「◯◯さん、早く行くよ」と、神の声がして、児童は「天狗だって!」と、叫びながら、足早に去って行きました。
実際は出鼻を折られっぱなしの天狗ですが、次回草に隠れて作業する時は、子どもの質問に楽しく答えられるように準備をしていきたいと思います。例)「(声のトーンを上げて)ぼくは、みさき小の山に住む、コダヌキだよ」とか・・・。
5月26日(金)「笑うから」
年をとると、なんとなくお寺や神社、お城など名所・旧跡に興味をもつようになります。訪れるお寺の多くは、ご住職がなにがしかの言葉を来訪者に発しています。10年ほど前に目に留まったお言葉が、「しあわせだから笑顔になるのではない 笑うからしあわせになれるのだ」です。ふだんは、幸せを感じるから笑顔になると考えがちですが、「笑顔」を進化したコミュニケーションの表現方法と考えれば、「笑顔」の積み重ねが「過程」で、しあわせが「結果」という、お言葉の真意が理解できます。
先日久しぶりに2歳になる孫に会いました。マスク越しでは泣かれましたが、マスクを外し笑顔で接すると泣き止み、笑顔に笑顔で返してくれました。言葉はまだ二文字くらいですが、笑顔のコトバが補ってくれました。
5月25日(木)「跡地利用」
学校の統合が進む地域では、閉校となった施設の跡地利用が課題となります。地区の社会教育(生涯学習)施設に移行したり、民間業者に売却したりするなど、その使途は様々です。町内の学校では、篠島小学校旧東山校舎は、老朽化した校舎は取り壊して高台の利点を生かして防災センターを新設しました。豊丘小学校(むくろじ会館)、山海小学校(ふれあい会館)は、名前を変え地域の交流施設として校舎の一部を維持管理しています。昨年度、大井小・師崎小と同期に閉校した美浜町立河和南部小学校は、民間業者の買い手がつきました。現在、跡地利用が未定なのが、大井小学校と師崎中学校です。体育館と校庭は、社会教育施設として登録団体が利用することもありますが、校舎利用は跡地利用の目処が立っていません。老朽化する箱物施設は、維持管理に多くの費用を要し、規模が縮小する町財政を圧迫し、放置されれば「治安の悪化」も懸念されます。ハード面ではいずれ、改修や取り壊しの時期を迎えます。長年地区の教育を担ってきた「遺産」として、ソフト面でよい引き継ぎができないか、小中合同地域清掃の準備を大井小学校でしながら考えていました。
例)星空観察会会場、防災キャンプ訓練施設、郷土資料保管等地域倉庫、シーズン制臨海学校(旧師崎中)、道の駅、別荘(教室貸し)、レンタルガーデン・家庭菜園、映画ロケ聖地化、きもだめし会場、マウンテンバイク練習施設、ドローン練習施設、ラジコンレース会場、海の図書館・学習センター (^_^)・・・・・
5月24日(水)「生命力」
4月にはほとんど気にならなかったプールの水草が、ひと月弱の間に大発生し、現在水面を覆った状態になってしまいました。長年教員をしていますが、こんなことは初めてのことで、新型コロナで閉鎖となった期間でもありませんでした。プール清掃業者にも相談しましたが、排水管を詰まらせないために、手作業で取り除く以外に方法がなく対応に苦慮しています。先日は四役で、昨日は一人で1時間ほど作業しましたが、翌日には復活する生命力にあきれて感動すら覚えます。6月の業者による清掃日までに取り除く必要があるので、南知多中学校の了承を得て、明日の小中合同地域清掃で本校にやってくる師崎区の在住生徒28名に協力してもらい、30分程度の作業で、できるかぎり水草を排出する計画です。「小学校プールへの恩返し」を目的に加え、どんな闘いになるのか、成功は約束されていませんが、中学生の力に期待したいと思います。
<作業手順>
①シロメかごで水面の水草をすくい、プールサイドで水切りをする
②乾いた水草をシロメかごに戻し、草捨て場まで運ぶ
*想定する水草の量は、シロメかご100杯分を見込んでいます。水草を残すと再び増えてしまうので、まずプール内から取り切ることを優先します。
5月23日(火)「みなみ」
本町教育委員会内に設置される「南知多協働研究会」より、各校にも配付される郷土研究誌のタイトルが「みなみ」です。今回で115号を迎え、南知多町界隈の歴史研究が毎回寄稿されています。今号の巻末には、大井小・師崎小の統合とみさき小の校歌誕生を記念に、「南知多町の小学校校歌」(9校分)が掲載されていました。紹介ページには、昨年度開校4月に撮影した全校写真も載せていただいています。多くの校歌が、「海」「豊かな緑」「空と太陽」に関係する歌詞を取り入れ、最新の本校校歌で、子どもたちが歌詞に取り入れたいと応募した言葉も同様でした。町内の学校は、場所や名前を変え、母なる自然をベースとして伝統を受け継ぎながら、「地域に根ざす学校」を歌い続けています。

*本校校歌楽譜は、メニュー「学校プロフィール」でご覧いただくことが出来ます。
5月22日(月)「◯◯◯◯◯の父」
20日(土)午前、かねてから鑑賞したかった宮沢賢治の父をモデルとした映画の上映が、一日一本となってしまったことを知り、慌てて鑑賞に行ってきました。「雨ニモマケズ」の詩で有名、童話は多くの小学校の国語の教材でも取上げられてきました。長男賢治と長女トシを、ともに結核でなくす父の心を「わかる」と軽々しく言えません。ただ、二人が乗る銀河鉄道の車内で、乗客として乗り合わせ、「◯◯◯◯◯」と笑顔で告げるラストシーンは、まばらな観客の涙を一様に誘い、セリフを聞く前に父の心情が理解できました。「ホメラレもせず クにもされぬ ソウイウモノに ワタシはなりたい」青年を生み出した父(もちろん母もですが)の姿からは、子どもの夢を信じ支えることの大切さを教えられます。
5月21日(日)「未来の教室」(知多地方小中学校PTA連絡協議会講演会より)
一昨日、知P連の総会が大府市愛三文化会館で行われ、今年度の新組織、事業計画、予算案などが承認されました。その後の講演会の演題は「未来の教室」で、3つの自由度の向上を柱に、経済産業省の視点からの学校改革の知見を得ることができました。講演後の質疑応答では、3名のPTA代表者が講演内容を踏まえた適確な質問され、PTA参加者の意識の高さによい刺激をいただきました。また、「教員はなぜ忙しいのか」の問いに、「求められる期待値が高く不定形であるため」と教示し、これからの社会で生きる力は「ゼロから1を生み出す力」「多様性を受容し、他者と協働する力」とも明言されました。大きな変化は、過渡期の学校に大きな負担、子どもたちの戸惑いを生じさせます。実情に応じ、必要なことを一歩一歩施行と確認を繰り返しながら進めていきたいと思います。以下、3つの柱の要旨を紹介します。
①「時間・空間」の組み合わせ自由度の向上:クラス単位の学習から、個別学習計画に基づく学びへ、子どもの多様な才能を開花させる環境(学習の場や時間)を工夫。大人社会が多様化する中で、子どもにだけ一斉でリアルな学びを求めている異質性に留意。
②「教材」の組み合わせ自由度の向上:先生が必要な場面とAIやリモートが有効な場面の吟味が必要。学習の動機付けやデジタルやAIをうまく活用するための教師の役割を研究。
③「コーチ(指導者)」の組み合わせ自由度の向上:教職員以外の専門家の活用のため、優秀な人材をみつけ、ニーズに応じた教育を展開するコーディネート力が担任に求められる。
*言い換えれば「主体的・対話的で深い学び」を、教育環境の面から整理したとも言えます。
5月20日(土)「ラーケーション(校外学習活動の日)」
愛知県が全国に先駆けて推進しようとしている「ラーケーション」は、「ラーン(学習)」と「バケーション(休暇)」の合わせた造語で、主な目的は、①繁忙期と閑散期の平準化という社会的経済的な面と、②家庭教育を重視した子どもの個別最適な学びを推進することです。①では、働き方が多様化する一方で、保護者の休日が学校の休日とずれ、子どもとのふれあいが困難な家庭の状況が問題となりつつあります。また、日本は忙しい時期とそうでない時期の差が激しく、雇用の面でも不安定となりやすい点が産業界からも課題とされています。 ②では、学校教育においても「だれひとり取り残さない」個別最適な学びが進む中、教育を学校がまるがかえするのではなく、個に応じた学びの一部をこれまで以上に家庭で担うことが求めています。
ラーケーションとして認められると、いわゆる「欠席扱い」ではなく、「出席停止・忌引き」と同じように「校長が出席を要しないと判断した日」となります。
ラーケーションが進むと、学級みんながそろった授業や行事が行いにくくなるという課題がありますが、学校が全員参加が適当な行事(学校行事や卒業式等)の前後などに「ラーケーションをとらない日・期間」を設定することで変革期の問題を軽減しようとする案があがっています。また、児童一人年3日(学期に1日の割合)として、通常の学校教育への支障を減らす目安も示されています。
「社会の形成者を育てる」という視点では、学校教育と社会的な課題は切り離すことはできません。時代とともに、学校・教職員の役割も変化する必要があります。「子どもたちのしあわせ」のために何を続け、何を変える必要があるかを、子どもたちに関わる大人は先見性をもって判断していく必要があります。
*ラーケーションの導入は、市町村単位で判断されます。本町の導入時期については、町教育委員会の判断・通知を待つことになります。
ラーケーション例(私案) *ラーケーションの認定には、その趣旨(校外学習活動)から子どもにとって計画的・意図的な学びである必要があります。
○授業日に、保護者の仕事の見学や体験活動を行い、キャリア教育を推進する。
○学校の授業日しか行っていないイベントや行事、ボランティア活動に、家族で参加する。
○校外学習を欠席した児童が、家族と見学地を訪れ学びを補う。
○宿泊行事に不安のある児童の家族が、その前に家族旅行で現地を見学する。
○宿泊行事後に、児童をリーダーに、家族で再度現地を訪問する。
○芸術鑑賞やスポーツ観戦など、学校教育でできない活動を家族で行う。
*上記は、現在は「家事都合」の欠席となります。ラーケーションの成否は、今後の適切な取組・実績により評価が分かれることとなるでしょう。
5月19日(金)「磯」
町内半島の小学校校区の海岸は場所によって異なる様子を呈します。内海・山海までは、木曽川水系の影響で花崗岩質の砂が流れ着き、「砂時計ができるような白砂」が有名な東海有数の砂浜(日本の渚百選)が広がっています。山海と豊浜の間から、師崎を回り片名・大井までは丘陵が海岸まで迫り、地層が多くの場所で見られるなど、かつて断層による沈降が起こった磯と入り江が多く広がり、港が発達してきました。両島を含め、各校で海岸を舞台にした郷土学習が工夫されていますが、師崎地区は、安全に海岸に降りられる場所があり、大井小・師崎小では、「磯に親しむ会」が行われてきました。両校の伝統を受け継ぐみさき小では、羽豆岬・聖崎の2箇所で毎年場所を交代で、講師をお招きし観察会を継続する計画です。学校から3㎞ほどある現地までの移動、100名ほどの児童のトイレや手洗い・昼食場所の確保、温暖化が進む中お弁当の管理、熱中症・感染症対策など、解決すべき課題は多くありますが、教頭、教務主任、校務主任の先生らが何度も現地を確認し、スクールバスの活用と旧師崎中の施設を利用することで今回の実現にこぎつけました。「校区の特色を生かした本校でしかできない活動」として、一つ一つ改善しながら、子どもたち主体の楽しい学校づくりを進めていきたいと思います。


5月18日(木)「見てて」
大放課に運動場に出ると、多くの児童から「見てて」と声をかけられます。ボール投げ、ドリブル、おんぶ、ブランコ、一輪車など、カメラを向けると満点の笑顔やピースサインを返してくれます。低学年の頃に多い「見てて」という願いは、やがて離れていく大人との距離の助走です。しっかり見ててあげれば、後で大きく飛び立っていきます。手が届かない場所や見えない場所でも、つながっているという感覚(安心感)が双方にあるからです。逆に、「見てて」期間にしっかり見てあげることができないと、飛び立つことができなかったり、飛び立ってもブーメランのように帰ってきてしまったりします。いずれは「見ないで」「撮らないで」と言います。「見てて」という時期を大切にしないと、子育ては後悔することに・・・。でも、大丈夫。やり直しがきくのも子育てです、なぜって、「人間だもの、親子だもの」。(相田みつをさん風に)
5月17日(水)「郷土愛」
「南知多のよいところは?」と問いに、答えはきりがありません。「海や緑などの自然が豊か」「食べ物が美味しい」「時間の流れがゆっくり」「人々がやさしい」などは、よく言われることです。それを求めて、多くの観光客がやってきます。

学校に関することだけでも、「素直であいさつができる子どもが多い」「子どもたちと先生の距離が近い」「担任だけでなく多くの先生が、一人一人の子どもたちに関わっている」「地域と学校との距離が近い」「子どもは宝という意識で、保護者・地域が協力的である」「行事や授業参観等の保護者の出席率が高い」等々・・・。学校や教職のステータスが高く、お声をおかけすると丁寧に応えていただくことばかりです。少子化が進むまちだからこそ、子どもたち一人一人にはしっかりとした郷土愛を育み、誇りをもってほしい。学校周辺や通学路を、地域の方がご自身できれいにしてくださる素敵な学び舎に通っているのですから・・。

5月16日(火)「修学旅行事前打ち合わせ」
今日は授業後に修学旅行でお世話になる旅行業者の方にご来校いただき、引率者打ち合わせを行いました。今年も内海小学校と同日日程で、中学校へ向けて交流を深めながら、世界遺産都市奈良・京都の史跡や文化に触れる旅となります。この数年とは異なり、コロナ対策が緩和される一方で、観光客の多さが、対策が必要な要素の一つとなります。子どもたちの一生に残る思い出にする最優先の目的を達成できるよう、専門業者の力をお借りし、最新の情報を得ながら準備を進めていきます。
*令和5年度版修学旅行のしおり(原案)ができあがりました。児童に配付するものはカラー版です。楽しみにした時から旅行ははじまります。「心配を、楽しみで乗り越える」

5月14日(日)「風水害避難」
地震津波、火災など、天災・人災から身を守る避難ですが、一番多く発生しているケースが「風水害避難」です。学校では夏場に、台風が接近し「暴風警報」や「特別警報」などが発令される場合に、自宅への安全な下校体制をとる訓練を毎年実施しています。実際に、年何度かは台風の接近があり、在校時間帯となれば緊急避難下校(引き渡し希望のご家庭は、学校待機)をとる場合もあります。
本校の避難体制について保護者の皆様に周知する文書を、明日配付する予定です。校区が拡大し、スクールバスを使用した下校の確保や、場合によっては保護者の皆様にご来校いただき、直接引き渡しするケースも想定されます。災害を前に、混乱が生じないように、日頃からの想定の改善と訓練が必要です。PTA委員会でもご意見をいただきながら、しっかり備えていきたいと考えています。
*本校は、風水害避難所となっているため、下校後自宅からの再避難を想定されるような災害は懸念される場合は、児童は学校待機して安全を確保し、安全確保された保護者の皆様からお迎えに来ていただくことも想定しています。大切なことは、学校からの安全下校ではなく、災害時の子どもたちの安全確保となりますので、ご理解ご協力をお願いいたします。

5月13日(土)「野球愛」
スポーツは概ね好きで、オリンピックではどの種目も応援したくなりますが、「一番好きなスポーツは?」と問われれば、迷いなく「野球」と答えます。考える、投げる、打つ、走る、捕ると、いろいろな能力が問われます。相手の心理や個人の技能から成功の確率の高い作戦を選択する機会が9回平等に与えられ、27個目の最後のアウトをとるまで、何が起こるか分からない点も「諦めない」ことを子どもたちに教える立場として、競技特性に魅力を感じます。野球好きの理由を挙げれば、キリがありませんが、日本の野球はルールが同じベースボールとも違った文化をもち、国民性が反映している点も挙げられます。いきすぎを問題視されることもありますが、やはり「高校野球」のありようが、ベースボールを野球に変化させている気がします。教員の働き方改革から、部活動の地域移行が全国的に進められようとしていますが、学校生活の魅力でもある部活動を、義務教育ではない(生徒が進学を選択できる)高校が手放すことは、当面ないと思われます。全校生徒や地域の声援を受けて、試合後真っ先にスタンドに挨拶に行く姿は、「永久不滅」です。
ちなみに、記憶に残る甲子園決勝2試合は、エース松阪大輔を要する横浜高校が決勝でノーヒットノーランを成し遂げた試合と、日本文理に大差をつけた中京大中京が、9回裏に1点差まで追いつかれ、エース堂林が優勝インタビューで、涙を流して謝罪していた試合です。比較することはできませんが、野球の神様を感じる同様のドラマが、先のWBCにはありました。プロの世界で漫画以上のストーリーが実現させた戦士の姿はまさしく「野球小僧」でした。


5月12日(金)「はたけの先生」
師崎小学校時代から今年で16年目となる「はたけの先生」による1,2年生生活科のサポート。校地内に手の入った立派なはたけをご用意していただき、子どもたちが育てやすいサツマイモやキュウリ、ナス、ダイコンなどの野菜の植付け指導、休日の給水や雑草の管理をしてくださっています。おかげで、収穫期には立派な野菜を子どもたちが持ち帰ることができます。苦手な野菜を食べるきっかけづくりにもなる野菜作りは、生活科だけでなく食育にも大きな役割を果してくださっています。お茶程度しかご用意できませんが、子どもたちの笑顔とふれあいを報酬と受け取ってくださる皆様のご協力で、充実した体験が提供することができます。改めて感謝申し上げます。


5月11日(木)「しゅっちょう」
昨日、大放課の時間に出張にでかけようとしていると、2年生女子が、「校長先生、もう帰るの?」と声をかけてきてくれました。「出張だよ。行ってきます。」というと、「しゅっちょう?ふ~ん。バイバイ、またね」と、手を振って去って行きました。先日は、担任S先生に、「先生は、何の仕事しているの?」と真剣に尋ね、S先生を苦笑させていた2年生。素直で屈託ない姿が、小学校教員にエネルギーを注入してくれます。
場所が変わって、内海駅。終点で、ダイヤ改正の影響もあり、電車が待機する時間が長くなっています。いわゆる「無人駅」となっていますが、まったくの無人ではなく,駅や電車の清掃員の方が働いています。いつもきれいな電車の床を維持するため、黙々と清掃する姿を拝見できました。
さらに、出張先(尾張小中学校長会総会・尾張教育研究会総会)では、舞台上で本町教育長高橋様に、県内町村教育委員会代表としてご臨席いただきました。小学校体育館のフロアほどもある大きな舞台でしたが、ご来賓の中でひときわ大きな姿に目が釘付けとなりました。また、研修講演会講師は、県教育委員会で要職を務める女子プロゴルファーの塩谷育代氏でした。ノー原稿で、60分ほど様々なエピソードを交え学校教育への期待を、ユーモアを交えて「話す力」に感動をいただきました。ゴルフの競技特性は,「自分が審判」であるところ,競技規則の第一条には「誠実」を求める内容が記されているそうです。コロナ禍を経て、再び多くの人と出会え、場所を変えて学び続けることができる教職は、「いい仕事」であることを再認識しています。


5月10日(水)「CLS」
全ての子どもたちの成長(多様な学び)を支える組織として、「チーム学校」が求められさまざまな専門的な立場の方が子どもたちに関わるようになっています。ALTは、外国語補助教員。SCはスクールカウンセラー。SSWは、スクールソーシャルワーカー。教員にもコーディネーターや○○教育推進教員など、昔の学校ではなかった職名・分掌も増え、今後も新たな連携・拡充が欠かせません。
社会全体で変化が激しくなっており、こうした動きはもちろん学校だけではありません。昨日は病院のCLS(チャイルドライフスペシャリスト)の役割を紹介する番組が目に留まりました。徹底的に子どもに寄り添い、心の声を聞きながら子どもたちのしあわせをサポートする役割は、医師・看護婦が多くの患者の治療に専念できる環境を支援しています。取材を受けたCLSさんが、日本にはまだ少ないCLSをめざした動機は、ご自身が若くして母親を亡くした際の周囲の「かわいそう」という声への違和感が、人生の長短に寄らない「しあわせな人生」への感謝に変わった時に遡るそうです。小児がんの治療検査のための注射を嫌がる子どもに対して、多くの患者を抱える医師・看護婦だけは、時間をかけて心に寄り添うことは困難です。時間をかけて子どもの心を読み取り、機を見て背中を押すCLSがいて、子どもたちは「がんばっている自分」を肯定的にとらえ、笑顔で長期の入院生活を送ることができます。学校でも、20年ほど前から支援員という評価・指導をしない「先生」が市町の非常勤職員として配置されるようになっています。配置当初は、(小学校の)学級経営は担任が一人で担うべきという考えが主流で、CLSと同じように「不要不急」の役割への理解に時間を要しましたが、今は学校教育に欠かせない職となっています。支援員の皆さんの志と献身的な姿勢のおかげと感謝しています。
5月8日(月)「足取り」
今朝の登校時の児童の足取りの重さは、一年ぶりの景色でした。長期休業くらいの長さになると、「そろそろ友達に会いたい」「学校へ行きたい」と思えるのですが、5日間の連休では、「もう少しほしい」というのが本音の児童が多いようです。でも、大型連休は終わり、7月海の日まで祝日もない、長い2ヶ月が続きます。やりたいことがあって、「短い」と感じるか、「夏休みまで長すぎ」と感じるかで、成長度も大きく変わります。明朝の足取りは、少し軽くなっている児童が増えていることを期待しています。明日の6時間目は、修学旅行説明会。4年生以上は、待ちに待った部活動スタートします。子どもたちの貴重な一年に、「いやいや」している暇はありません(^_^)。
5月7日(日)「ボール投げ」
5月中旬に子どもたちの体力テストを予定しています。昔と種目が異なるものありますが、経年変化を見ることで子どもたちの体力の課題が明らかとなってきます。総じて低下傾向にある体力ですが、特にボール投げや立ち幅跳び、握力の低下が顕著と言われています。かつて測定種目にあった「連続逆上がり」は、逆上がりができない児童が多くなり、種目と採用されなくなりました。上記の3種目が「できない」ということにはならないと思われますが、日常生活で、投げる、跳ぶ、握る活動が少なくなっていることが原因であることは言うまでもありません。様々なスポーツを楽しむための基礎的な運動能力として、体育科の授業や部活動だけでなく、日頃の遊びの中で養う能力となるよう啓発と工夫を凝らす必要があります。明日の朝会で時間があれば、まず「ボールの投げ方」とキャッチボールの楽しさについて少しふれたいと考えています。

5月6日(土)「仁王像」
四谷の千枚田から長篠城址に向かう途中で、鳳来寺に立ち寄りました。NHK大河ドラマの影響で「東照宮」が隣接する鳳来寺も多くの観光客が訪れていました。ただ、麓から参道は1316の階段があり、歩いて上がるには健脚が必要です。「覚悟して参った方が良いぞ」といいたげに、山門には仁王像(徳川家光建立 国の重要文化財)が凜と立っていました。修学旅行で訪れる法隆寺や東大寺南大門ほど有名ではありませが、深い森の中で出会う金剛力士像は、前者に負けない威厳がありました。










*5歳児~70代の方まで老若男女が訪れますが、急階段の連続で、半数の方が杖やストックを持参していました。これからの季節は、履き慣れた靴に加え、水分補給の水筒が必須です。
5月5日(金)「幟」
幟といえば、端午節句で子どもの成長を願う「こいのぼり」が思い浮かびますが、先日訪れた長篠城址では、「幟祭り」が開かれていました。長篠と言えば、戦国最強の騎馬隊を率いた武田軍を、三段の鉄砲隊で織田・徳川連合軍が打ち破った天下取りの1つめの分岐点といえる史実が有名です。実際には、鉄砲隊がそこまでうまく機能していたかは疑問ですが、歴史物語としては、その方が説明しやすく、興味が湧きます。長篠城址の一角は、新城市教育員会が管理する歴史資料館があり、その1階の弓道場では大人の大会も開かれていました。好んでなって訳ではない「合戦場」という歴史を、現世に伝えるため歴史を大切に守る土地柄であることが感じられました。





5月4日(木)「憲法」
法治国家では、国のカタチの枠組みとなるのが「憲法」です。日本の憲法は、「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」という3つの柱からなることは、6年生社会科の公民的分野で学習します。戦後制定された日本国憲法は、公布の日(11月3日)が「文化の日」として、半年後の施行の日(5月3日)が「憲法記念日」として祝日となっており、特に近年は、改憲論争がニュースになるようになりました。「制定されて長年変えていないから、もう時代遅れ」「草案作りに外国勢力が関わったから」と、内容以外のことで変えることは本質的ではありません。内容を見て、改善すべき箇所があるのかないのかは、国民が見識を深め責任をもって意思表示する必要があります。「憲法は、権力をもつ側を縛るもの」で、時の政権が都合の良いように変えることができない仕組みになっています。政治主導で改憲が進むことは、国民主権に反しています。
「こどもまんなか社会」が言われる以前から学校では、校則を、教師が子どもに守らせるルールではなく、「子どもたちがよりよい学校生活を送るために必要なルール」として、児童会・生徒会が承認・改定することが通常となっています。校則と子どもたちの関係は、憲法と国民の関係の縮図。まず、大人が認識を改め、範を示すことが大切です。



5月3日(水)「インタビュー」
昨日、1年生が生活科「学校たんけん」の活動として、校長室と職員室の教頭先生にインタビューにやってきました。事前に、担任T先生から質問内容はうかがっていましたが、1年生に伝わるように言葉を選ぶ楽しさを改めて味わいました。2年生以上であれば、語彙も増えていますが、1年生は日常の大人の会話の2~3割くらいしか、言葉をもっていません。言い換える適切な言葉を探すのは、外国人と会話するように、こちらの語彙力も試されます。また、この時期の1年生は、文字を書く学習もスタートしたばかりでメモをとることも困難、見る聞く力が頼りです。5人の児童がやってきて、ひとりひとりの質問をしてくれました。教室に戻って、記憶を頼りにインタビューの内容を絵にして、後でT先生が見せてくれました。7歳児の知能は、可能性・センスで59歳の校長を凌駕していました。

A おすし、やさいジュース
Q 好きな色はなんですか?
A 白とみさきTシャツ色(青)
Q どうして先生になったのですか?
A こどもといっしょにいるしごとがしたかったから・・・
Q いつも何をしているんですか?
A ・・・・・・(^_^)
5月2日(火)「断層」
昨日、磯に親しむ会の下見に出かけ、教務主任M先生、校務主任K先生、通級指導W先生と聖﨑公園の周辺を散策しました。上陸大師像が見守る海岸は満潮に近く、磯の様子は直接観察できませんでしたが、トイレやお弁当を食べる場所、町に依頼した給水車の待機場所などを確認する充実した時間でした。その一方、個人的に目を引いたのが自然の露頭できれいな地層(砂岩と泥岩の互層)が見られる海岸線です。近くまで行く時間がなかったので、カメラを望遠にして撮影してみると旧師崎中学校から南東に延びる有名なリゾートマンションがそびえる地下で地層の傾斜が異なる場所がありました。よく見てみると、「正断層」の破砕帯らしき場所が確認できました。断層面が固結しているのでいわゆる活断層(現在も活動中)ではなく、大昔地震が起こった爪痕のような場所です。磯に親しむ会は、わくわくしますが、この情報では「断層に親しむ会?」は、一部しか楽しめません。これ以上は趣味の領域なので、休日に時間を見つけて、もう少し詳しく調べてみようと思います。

左側がずり落ちているようみ見えます

もろくなった岩が崩落しています
5月1日(月)「校庭開放」
大阪池田小児童殺傷事件以来、小中学校の校門には「関係者以外立ち寄り禁止」の看板が目につく場所に掲げられ、近年は監視カメラの設置も通常となりました。「子どもたちの安全な城」でありたい学校ですが、本来は「地域の拠点」として愛され、公園のように気軽に立ち寄れる場所であることが理想です。幹線道路から少し中に入る住民以外はわかりにくい立地である本校は、元用務員さんらご近所様とも隣接し、見守られる環境にあります。昨年度開校とともに、看板と錆び付いていた正門の鉄扉を撤去し、校門を明るい色で職員の手で作業で再塗装しました。校務主任と子どもたちでの手で、花壇にはできるだけ花が咲く環境を維持しています。運動場は草を除いて整地し、掛け時計を新設し隅々まで目と手が行き届いていると感じられる校庭を目指しています。来校者にとっても『心が和む」環境づくりをすることが、よい学校環境のバロメーターです。ゴールデンウィーク中は、お休みが多くなりますが、地域の子どもたちやご家族連れの遊び場として「校庭開放」を続けます。お気軽に、「校庭が喜ぶ」使い方をお願いいたします。

4月30日(日)「提要」
要点をかいつまんで述べることを「提要」と言いますが、ふだん目にする言葉ではありません。学校教育では文科省が示す「生徒指導提要」があります。生徒指導と言っても、児童にもあてはまる内容で、新しく示された提要では、これまでの生徒指導観を大きく変えることが求められています。おもな4つの柱は、①発達支持的:全ての児童生徒へ、人権・市民・法教育の充実 ②課題未然防止:いじめなど触法行為を「しない態度や能力」の育成 ③課題早期発見対応:従前の取組 ④困難課題対応的指導:課題の根底にある環境や特性に向き合う、適切で長期的、組織的な対応。
用語が専門的ですが、性急で独断的な対応でなく、学校・家庭・地域の全てが児童生徒の成長を発達を支えるという視点をもち、個の尊重・多様性を認め合う社会の形成者となるために必要な資質・能力を育てるという協働的な姿勢が大人に求められます。即効性を求める「懲戒」や「調教」に寄らない、子ども一人一人を大切にする教育観の共有が必要です。次回の改定では「生徒指導」という言葉自体、改善させるかもしれません。
4月29日(土)「『大変こと』は やらない理由にはならない」
韓国、中国、インドなど、日本のアニメや漫画が大ヒットしているそうです。美しい絵や構図、琴線にふれる心理描写、効果的な音楽など、受け入れられる理由はさまざまです。あるアニメーターを目指すようになったインドの若者は、「(アニメーターになることは)気が遠くなるほど大変なことかもしれないが、『大変なことはやらない理由にならない』ということも、日本のアニメで学んだことだ」と、目を輝かせて語っていました。
子ども、若者が一念発起する理由は、日常生活のどこにあるかわかりません。また、万人が同じでもありません。学校教育が多くの教科・領域をバランスをもって学ばせようとする理由も、そこにあります。「平均的な人」を育てるのではない。学ぶ機会を保障し、「どういかすかのタネを蒔く」「どのタネを生かすかは、子ども自身」であるという感覚を大切にしたいと思います。次世代を担うということは、今大人である世代を乗り越える力をもっていくということ。現世代が、指導できることにも限界があり、乗り越えられたら見守る姿勢をもつことが、これからの教員の大切な資質です。
4月28日(金)「ゴールデン ウィーク」
4月29日が昭和天皇の誕生日(現在は、昭和の日)で、5月3日が憲法記念日、5月5日がこどもの日で、後に祝日法が改正され、祝日をはさむ日に「国民の休日」(現在は、みどりの日)が設定され、ゴールデンウィークが完成しました。学校はカレンダー通りですので、5月1日・2日は授業日ですが、家事都合欠席も想定し、4時間授業で午後は「家庭訪問(居住地確認)」を設けています。
年度初めは、どうしてもダッシュになりがちで、子どもも先生も、一年を走り続けるペースではありません。大型連休を「一息つける、ペース配分を見直す期間」として、心身を落ち着かせながら、連休明けの再スタートを楽しみにできるような過ごし方をしたいものです。夏休みのような長期休業モードで就寝起床時間を変えてしまうと、反動で「五月病」のように喪失感が強くなってしまうので、「適度」が必要です。「ゴールデン」とは、連休で終わるのではなく、その後の生活にはずみをつける意味でありたいと思います。「Have a good week !」
4月27日(木)「防災」
昨日、町役場総務部危機管理室の職員様、師崎区の区長様はじめ地域防災に携わる方の協力を得て、避難訓練と避難所見学の時間をつくることができました。変化の激しい時代では、防災体制も最新の知見に基づき更新していく必要があります。今回の地震避難訓練では、避難後の生活に備えて「校舎を出る時に下靴をもって出ること」「6年生が1年生の手を引いて坂を登ること」「教職員は目立つ白いヘルメットを全員着用すること」「避難所の施設を見学し、どんな避難生活になるのかイメージすること」「町の防災担当の方の声を聞くこと」を手段に取り入れました。一年に一度の機会、こちらも完成形ではなく、いろいろなことを試み改善する機会にしたいと考えています。
4月26日(水)「青少年」
青少年は、年齢で指定する世代ではなく、「次世代を担う」世代と定義した方がしっくりします。完成した(=成長できない)大人では、変化の激しい時代を担い続けることはできません。若葉のように成長途中、これから環境の変化によって伸びしろで対応する余力が必要です。町内は、どの地区にも「青少年を育てる会」に類する地域の組織がありますが、5地区を見渡して、町会議員様、区長様をはじめ、地域を代表とする方が組織の中心をなして会を運営する形態が残っているのは、師崎地区だけになっています。師崎中学校から事務局を引き継ぐ本校ですが、地区の「青少年」に、「このまちに生まれ、育って良かった」と思われるような活動を地域の皆様と一緒に支えていきたいと考えています。
4月25日(火)「テストの点数」
3.1415926535・・・当方が記憶しているのはここまでですが、ゆとり教育が前面に出た世代は、円周率を3として計算して良いという画期的な指導が打ち出されました。学力低下と結びつけられて、すぐに撤回されましたが、日常生活で正確な円周を求めることは少なく、直径の3倍ちょっと概算することが実際には多いように思います。正確な答えを求めることに超したことはないけれど、それだけが正解ではありません。「雪が解けたら何になる?」の質問で、答えは「水」ではなく、「春」という教育界で子どもの有名な金言があります。理科のテストでは、丸を付けるのはためらわれますが、感性は花まる。ここに教科学習の限界があります。教員2年目に担任したある女子児童が、算数テストの裏面に、見たことのない花嫁の絵を描き、「先生、結婚おめでとう」とメッセージを添えてくれました。表面の算数のテストの点数は芳しくありませんでしたが、思いがけない子どもたちの優しさに点数をつけることはできません。こうした子どもたちのおかげで、35年間教職を続けられています。
4月24日(月)「昼の散歩」
私的な記述の連続で恐縮です。先日、少し遠出をして山の自然を楽しむために散策に出かけました。場所は、山城で有名(自称、日本一)になりつつある岐阜県の苗木城です。麓の駐車場から往復1時間程、工夫された石垣やよく手入れされた散策ルートを巡りながら、歴史や管理する人々のご苦労に思いを致し、よい時間を過ごすことができました。新緑が美しく、青空によく映えていましたが、サクラやモミジも多く、各季節で色とりどりの姿が楽しめそうです。到着した9時頃はまだ空いていましたが、10時頃になると他県ナンバーの車も多くなり、駐車場には地元ボランティア?と思われる交通整理員の方がトランシーバーを片手に、複数立って誘導してくださいました。名所と呼ばれるいくらよい場所でも、管理する人の手がなければ、見た目が荒れていき、訪れる人の心も荒んでいきます。観光地も学校も同じです。

4月23日(日)「夜の散歩」
休日の私的な内容が続き恐縮です。愛犬を連れた小一時間の夜の散歩は、12年目に入ろうとしています。昨夜は、月齢1.9のペーパームーンとひときわ輝く金星が見事で、イスラム教国の国旗のようでした。昼間との寒暖の差が激しく、半袖では少しひんやりしますが、相方に連れて少し早歩きをすると、すぐに体が温まります。散歩コースを折り返し地点を過ぎると、西の空は月が隠れ、金星の独擅場になっていました。年度初めは、忙しく、週3回ペースに落ちていましたが、夜風が爽やかな季節、相方がつき合ってくれるうちは、週5に戻したいと思います。歩いた距離は、概算で4㎞×200日×12年=9,600㎞、1万キロが当面の目標です。
4月22日(土)「お昼寝」
土曜日の午後は、1時間ほど昼寝をするのが習慣となっています。N○Kの歴史ドラマの再放送を観ながらですが、ほとんど内容は頭に入っていません。1週間の仕事のご褒美の時間で、家庭料理の満腹感、鳥の囀りと自然の風が窓から入り、エアコンを使わなくてもよい季節の昼寝は、格別です。この10年ほどは、愛犬が寄り添ってくれます。・・・ただ昨日は会議があり、眠気との闘いでした。準備された皆さんのご苦労を思い、股をつねりながら、承認の拍手を続けました(本当にごめんなさい)。帰宅すると、愛犬が一人でソファーの上で昼寝をしていました。私が横になる場所を空けてくれている(と、思ってしまう)のを見て、土曜日の日常に戻ることが出来ました。
4月21日(金)「熱心」と「理想」
自戒を込めて・・・。かつては、教師を褒めたたる言葉であった「熱心」も、今は評価が二分します。大切なことは、「理解者である」とセットであることです。独りよがりな「~であるべき」を振りかざし、子どもの実情に無理解・不寛容な指導は、学校や教室に高い敷居をつくってしまいます。不登校の増加に歯止めがかからない学校教育の状態は、多様化する社会の実情に対する硬直化した学校組織の限界を示しているというのが、最新の見方です。当初、フリースクールは学校教育と別物という考え方でしたが、近年は校内教育支援センターの機能をもつ「校内フリースクール」として、従来の保健室登校や別室登校を、より専門的に機能を高めることが求められています。「全ての子どもたちの学びを保障する」ために、専門家や外部機関との連携を深め、福祉・保健領域を取り込んで多機能化することが、これからの学校の役割と考えています。こうした理想を絵に描いた餅にしないために、協働的な組織対応と、「信じ、待つ」ゆとりをもった対応が出来るように人の配置が必要なことは、言うまでもありません。機能変化を求められる学校は、教職だけの従来の対応では苦しくなってしまいます。保護者の皆様の理解、ボランティアや地域の支えがあり、子どもたちが学校づくりに参画する主体性で、理想に近づいていきます。
4月20日(木)「寒暖」
新学期スタートから2週間が過ぎ、季節も子どもたちの学校生活も着実に進んでいますが、朝と昼の寒暖の差(15℃程度)で、体調管理が大変です。登校時は10℃を少し超えるくらいなので、風が強い日は防寒が必要ですが、昼は夏日(25℃越え)もあり、半袖でも汗ばむほどです。大人に比べると体が小さく、気温の影響を受けやすい上、体を動かし続ける子どもは,水分補給も欠かせない日が多くなってきています(よって、熱中症にもなりやすくなります)。昔は、一日の寒暖差が10℃あると、「注意をしてください」と気象予報士が伝えていました。「二極化」という言葉がよく使われる時代になりましたが、気象も同様で子どもたちには生きづらい時代です。体が慣れるまで、「学校に着けば大丈夫」と、安心安堵できる環境をつくっていきたいと思います。
4月19日(水)「参観」
コロナ禍、スポーツ大会は参観の自粛が求められ、選手は無観客で試合をすることが多くなっていました。コンサートなども中止となったり、観客を制限して行われる状況でした。選手や演奏者は、悩みながら、改めて観客の大切さを実感する機会となりました。
学校では、保護者の皆様に子どもたちの活躍を見ていただく機会として授業参観や各種行事を設けています。保護者の視点ですと、「子どもたちのがんばりや習熟度を確認する機会」ですが、子どもたちは選手や演奏者のように、「励みや発表による他者評価を得る機会」となり、その評価・賞賛が「学びを続ける動機付け」にもなります。
多くの児童は、通常の授業の1.5倍くらい“がんばるホルモン”を出して授業や行事に臨んでいる気がします。授業参観の活躍は、発表者(スポーツで言えば、ゴールを決めた人)に目が行きがちですが、アシストや隠れたサポートするプレーがあってこその、ゴールです。授業は、学級というチームで集団が抱える問題・課題という相手チームとの対戦競技で、一人で勝つことはできません(一人で達成できる課題は、宿題でよい)。所属チームみんなで思考(ボール)を繋ぎ、解決(勝利)する姿を見ていただきたいと願います。参観は、子どもたちにプライドや誇りを高める機会です。ご多用の中恐縮ですが、ぜひ次回(6月24日 土曜学級)もご参観をお願いいたします。成長著しい子どもたちの変化が感じられることをご期待ください。

4月18日(火)「Chat GPT」
技術革新への驚嘆と警戒の目で見られるOpenAI社が開発した「Chat GPT」、急速な普及にどう対応するかは、インターネットが普及した時代とかぶります。リアルが生活の主であった生活から、情報収集や処理が、コンピュータ上でできるようになり、学校でも「情報教育」という形で、系統的な学習計画の必要性に迫られました。学校の情報化という課題は乗り越えつつあると感じた矢先に、新型コロナの流行もあり、タブレット端末の一人1台配付が前倒しとなり、学習ツールとしての活用促進が課題となっています。そして、AIソフト「Chat GPT」の普及。活用の仕方によっては、文書作成能力に限らず、子どもたちの思考・判断力の育成にも大きな影響を与えます。開発者は、電卓の開発に例えています。電卓や表計算ソフトの開発により、正確な計算を委ねるようになりましたが、算数・数学の学習は、一部活用を認めるものの依然として自力計算を主としています。対話型AIの学習への活用の是非は、まだまだ吟味が必要です。便利とリスクはセットが常識。「何のために、何をどう学ぶのか」子どもたちの将来につながる幸せのために必要な「学びのカタチ」を慎重に考える必要があります。
4月17日(月)「授業」と「学習」
最近の教育書では、「授業」という言葉が減り「学習」や「学び」という言葉がよく使われます。この使い分けは、指導者が既得の「業(わざ)を授ける」ではなく、「学び、習う」と主体者を子どもにたちにする意識が教師に必要というメッセージととらえています。合わせて、効率的に「教える」から、「子どもと共に学ぶ・支援する」という立ち位置の見直しも進んでいます。「授業」と言えば、受けるもの、「学習」と言えば(自分で)進めるもの、という意識が自然に芽生えます。授業の効率・功績を活かしつつ、学習の主体性・対話性を活かした学びの時間の創造を、子どもたちと教師が一緒に取り組むことが、予測困難な時代を生き抜く子どもたち」を育てるために必要です。教材や学習環境は、教師がしっかり整え、安心してやりがいを感じられるよう準備する。学習に入ったら、指導より調整、支援を心がけ、思考を広げる「新しい視点」や成就の「学習の着地点」を、子どもと一緒に考える授業観が大切。当方があいさつをする朝会は、まだまだ旧態依然と反省しています。
4月16日(日)「園」と「所」
昨日、好天に誘われて県内の国営公園に足を運びました。工夫されたこいのぼりの屋外展示もあり、駐車場が「満車」になるほど、家族連れが多く訪れていました。

だれが訪れても良い「公(おおやけ)」の「園(その)」と書いて「公園」、「最初にこの言葉を創った人は、よく考えられている」と、改めて感心しました。身近な所で「園」を使う場所に「保育園」があります。正式な用語としては、「保育所」が正しいようですが、子どもたちが集う場所としては、「所」よりも「園」の方がイメージがよいので、「保育園」という言葉の方が派生し、定着しています。通う子どもたちを指す言葉も、「所児」とは言わず「園児」が使われています。同じ場所でも、言葉によってイメージは大きく変わります。「公所」であれば、家族連れが楽しみを求めて集うイメージはありません。
ふりかえって、「学校」。「学ぶ」に「校(人が交わる建物の意)」が使われています。教師からの一方通行ではなく、子どもと教師、子ども同士が意見を交わし、混じり合う場所という名にふさわしい場所である必要性は、「学校」という言葉が使われ出した明治時代より、ずっと高まっています。
4月15日(土)「夢見る学校」
昨日の離任式は、離任されるS先生のお話を、舞台の上で子どもたちの表情を見ながら聴く機会に恵まれました。児童は、「先生の最後の言葉」を聞き逃さないよう、一言一言に目を見てうなずき、笑顔で問いかけに答えていました。「目を見て話を聞く」姿勢が定着してきていることを嬉しく感じました。また、「夢がある人」という問いかけに、8割くらいの児童が挙手し、「消防士」や「トマト農家」など、全校の前で具体的な夢を答えようとする児童が多くいたことにも関心しました。自分が子どもの頃は、将来なりたいものが漠然としてあったものの、人前で発言する勇気はありませんでした。小学校でも取り組む「キャリア教育」の賜と実感します。進路指導は、中学校になってからというのが、かつての棲み分けでしたが、現在は、自分の道を選択できる力・実現に向けいつ、何をすればよいかを考え、実行する力などを、小中学校を問わず、系統的に高める教育活動(キャリア教育)を位置づけ取り組んでいます。今年度、本校は「キャリアスクールプロジェクト」の研究校に指定を受け、一年をかけて、子どもたちの「よりよい生き方」に寄り添う研究実践を進めます。校歌の1番、「夢見る学校」の実現に向けて、保護者・地域の皆様のお力もお借りしたいと考えています。

4月14日(金)「厳しさと冷たさ」
相反する言葉の紹介が続きます。何か目標を決めて、乗り越えようとする時の努力で、「厳しさ」を感じることは常です。自己の限界を乗り越えようとする時なので、「楽」でないのは当たり前ですが、時折指導者の中に、「厳しさ」と「冷たさ」の区別がついていないケースが見られます。かつての部活指導がよい例ですが、指導者側が「(愛情をもって)厳しく指導している」つもりでも、部員は「(理解していくて)冷たい」と感じ、挫折していまう事例がありました。「厳しさ」と「冷たさ」の分岐点は何でしょうか。当方の経験上、それは「目的の共有」と「言葉遣い」であると思います。「厳しさ」を乗り越えるには、「何のために」が指導者・子どもたち双方にズレがないことが前提です。また、誤解のない言葉選び(適切なコミュニケーション)が、それを支えます。「何度言ったら分かるんだ」「やる気がないなら、帰れ」などの言葉は、熱血指導者の決まり文句のようでしたが、現在は不適切な言葉(=愚痴)です。「できるまで、何度もがんばってみよう」「やる気をもって、この場に臨もう」が、指導者としての本意。温かさを感じない言葉より、気持ちをまっすぐに伝えることの方が、厳しさを乗り越える力になります。子どもに関わる大人は、言葉選びのプロでありたい。教育に、共有する厳しさはあっても、冷たさは必要ありません。
4月13日(木)② 「優しさと甘さ」
子どもたちへの指導で「優しい」と「甘い」は混同されますが、その効果は天と地ほど異なります。真の優しさは、言葉を大きく荒げなくても子どもたちの心に響き、和によって健全な成長を支えます。一方、甘さは、子どもを迷わせ、やがて進むべき道が見えなくなり迷子のような状態にしてしまいます。「優しさ」と「甘さ」の違いは、子供との距離感と大人側の強さ(自律)にあります。子供の成長の伴走者として寄り添い、適切な言葉と支援方法を選びながら、進むべき道を一緒に考える(「君はどう生きるのか」)。得られた成果を自分事として共に喜ぶことの繰り返しで、子供は自己肯定感・自己有用感が高まり、やがて力強く巣立っていきます。校歌3番に「優しい学校」という目標を記しています。校歌に恥じない“先生”でありたい、純粋な子どもたちの姿を見て思いを強くしています。
4月13日(木)「天国と地獄」
昨日、大放課にジャングルジムに登った1年生が、いろいろな先生に声をかけていました。「担任のT先生やさしい!」「校長先生もやさしい、けっこんしたいくらい」などと、会話しています。ずっこけそうですが、「けっこん」をジェンダー社会を踏まえ、「血が繋がらない人が、いっしょに仲良く暮らす」と考えれば、語尾に「~くらい」がついているので、「すき」を言い換えた的を射た表現なのかもしれません。子どもたちのかわいさに元気をもらい、天にも昇る気持ちで、校庭に伸び出した草を草刈り機で刈り取ろうと、草刈りユニフォームに着替えました。草刈り機は騒がしいので、児童の下校を待っていると、別の児童が、「校長先生なんのかっこう?」「あくまみたい」。・・・・・・再びずっこけそうになりましたが、草刈り機をもった校長は、草たちにとって「悪魔」そのものです。語彙は少ないけれど、精一杯思いを言葉にする児童の表現力には驚かされることの連続です。
*この後、“草刈りあくま”は、来週の授業参観で来校する保護者の皆様を意識して、約1時間校庭の草刈りを進めました。でも、だいじょうぶ、草たちはたくましく、2週間後に必ず復活してきます。草を片付けた頃に、雨が降り出しました。天の神様も承認してくれたようです。

4月12日(水)「制服」
昨日の出張の帰路、名古屋からの電車に乗っていると、太田川駅以後、たくさんの高校生が乗車してきました。半田駅に着く頃、多種多様な制服を着た高校生がマスクはしながらも歓談する様子は、「若いっていいな」と改めて感じさせられました。(名古屋の地下鉄の乗客はほとんど大人で、9割がスマホとにらめっこをしていました)
富貴駅での乗り換えで少し待ち時間があり、マスク越しに見たことのある瞳を数名みつけることができました。その中の二人の女子高生が、内海駅を降りると声をかけてくれました。真新しい高校の制服に身を包み、「かっこいい」「かわいい」と褒めると、小学生の時と変わらない笑顔を見せてくれました。一人は駅から自転車で帰宅することもあり、ブレザーにパンツの女子生徒です。二人とも高校が違いますがそれぞれに、制服に誇りをもっていました。
自分らしさを発揮するためだけなら制服はいらないかもしれません。通う学校への所属感、仲間との一体感が個人のプライドを支える場合もあり、中高生の制服の意義がそこにあります。一律指導の象徴であった制服も、男女問わず着こなしはジェンダーフリーの時代へ。これから検討がはじまる南知多中学校の制服も楽しみにしています。
4月11日(火)「地域清掃」
環境教育、地域連携活動として、多くの学校が実情に応じた地域活動を行っています。昨年度まで小中で行ってきた資源回収もその一つですが、師崎中学校の閉校で、中学校と同一校区の小中連携活動が難しくなりました。統合した南知多中学校との連携活動として、「小中地域清掃」が計画されています。中学生は小学校区に戻って、小学生と一緒に居住地域の公的な場所を清掃や草取りをすることを想定しています。保護者、地域の方と一緒に小中学生が自分の手で居住地域のクリーン活動をすることで、環境への関心や、地域社会の一員としての自覚を高め、日頃の実践的な態度を養うことができればと思います。今年度は、5月25日(木)午後に計画中。詳細は、後日文書案内でお知らせいたします。


4月10日(月)「テスト」
学習にテストはつきもの、受け身でいると苦痛しか感じませんが、自分の学習や運動能力の「現在地」を知る機会、さらに成長するための「課題」を知る機会ととらえれば、テストを前向きにとらえられます。陸上部の部活指導では、練習後に記録を図ることは必須です。練習だけを続けることは、大会や発表会のない活動と同じです。学習におけるテストは、試合や演奏会をして、相手や観客の反応を喜びにかえる機会に相当します。今週は、学級組織をつくるとともに、実態に応じた学習計画を立てるための学力テストの週間となります。成績のためのテストではなく、スタートとしての位置づけで、自己の学習課題を知る機会として、取り組んでほしいと願います。
4月9日(日)「お花見」
知多地方の桜やハナモモは見頃を終えてしまいましたが、県内でも標高の高いところは、これからが見頃を迎える時期です。昨日車を走らせてみると、豊田市足助町辺りでも、「今年の花は早かった」と、すでに新緑の季節を迎えていました。さらに車を走らせ、県境を越えて有名な温泉観光地に着くと、町中がハナモモの白、桃、ピンクで彩られ、県外からの多くの観光客で賑わっていました。温泉に浸かる長居はできませんでしたが、新緑と花という里山の自然に触れられ、心新たに、新学期第2週を迎えられます。

4月8日(土)「エイ」
先日、入学式準備で登校した児童から、「校長先生笑って」と声をかけられました。マスクをとって笑うと、「やっぱり、エイに似ている」と笑顔になりました。何か、アニメのキャラクターかと思い、「エイって、だれ?」と尋ねると、「お魚」との答え。「えっ、あの平ぺったいの?」、確かに肌が浅黒いのは似ていますが、顔は・・・。少し衝撃を受けていると、「お腹の方だよ」「・・・」「本当は、顔じゃないけどね。うふふ」と、入学式会場づくり作業に戻っていきました。「(顔が)エイのお腹に似てるって??」春休み明け久しぶりに合った児童に、問題を投げかけられ調べてみると・・・

4月7日(金)「始業式」
儀式に関する記述が続きますが、ご容赦ください。愛知県の小中学校には、3度の長期休業があり、その後に「始業式」を行い、学期がスタートします。1学期は新しい年度の最初の学期で、4月には「新学期」という言葉も使われます。小中学校は、始業式をそろえていますが、保護者の参加をお願いする入学式は、一日ずらして両方の式に参加する保護者に配慮しています。よって、入学式を準備する高学年は、準備登校を含め2日春休みが短くなっていますが、その特別感が高学年の自覚を高めるよい機会につながります。入学式の準備を中心になって行った6年生は、始業式の後に花の片付けや学級写真の撮影準備に力を貸してくれました。「自分たちの学校づくり」は、6年生が範を示すことで下級生に広がっていきます。一人一人がしっかりたくましい柱となって学校を支える経験が、やがて地域・社会を支える「大人」の心意気につながります。

4月6日(木)「入学」
一年の学校行事の中で一番大切と位置づけられるのが「卒業式」なら、「入学式」は、その次に大切な儀式です。卒業証書のような入学証書授与はありませんが、「11名の入学を認めます」と、校長式辞の前に告げる言葉があります。「新入生のみなさん、入学おめでとうございます」「お友達、学校でのお兄さん、お姉さんと仲良くしていけば、学校は動物園や水族館よりも、もっと楽しい場所になる」という言葉を添えました。入場は手を引かれ、長いお話の半分も理解できない1年生が、6年生になると校長を超えるような堂々とした態度で心温まる話ができるようになります。「子どもの成長はすごい!」教師生活36年目を迎える私の実感です。


4月5日(水)「高学年」
通常は、5・6年生を差す「高学年」という言葉ですが、その自覚は卒業式準備の前年度(4・5年生)から始まります。卒業式を立派に支え、卒業生を送り出した新5・6年生が、入学式準備で登校し、それぞれ自分の役割を考えながら誠実に活動することができました。明日は、新1年生のために入学式を支えます。子どもたちが大きく成長する場は、学校生活の節目にあります。ぴかぴか、ドキドキの1年生と笑顔で見守る高学年、どちらも輝く入学式であり、高学年は「自分たちの学校」を改めて自覚する式典です。11名の新1年生を、23名の6年生が手を引いて入場します。天候は春の陽気とはいかないようですが、それを乗り越える温かい雰囲気に包まれた会場としてくれるでしょう。

4月4日(火)「しあわせ」
子どもたちがしあわせになるには、まず大人がしあわせでなければならない。家庭では親であり、学校では教職員です。大人の不幸は、子どもに2倍3倍となって不幸をもたらします。日本の子どもたちの自己肯定感の低さが教育課題となっていますが、子どもの幸せの基盤となる大人のしあわせが危うい社会ということでしょうか。学校でも、家庭でも、地域でも、今一度「しあわせですか?」と問い直すことが必要です。我慢や辛抱、鍛錬を否定しているのではありません。適切なそれらは、充実感をもたらし、決して自己肯定を妨げるものではないからです。「苦しくたって、悲しくたって、コートの中では平気」というのは古すぎますが、なりたい自分になるための労は苦痛ではありません。子どもの場合は、「できるようになることが増える」ことが学びのしあわせです。そして、しあわせに向かっているかどうかのバロメーターが、「希望の笑顔」です。
4月3日(月)「離任」
今年度は、4月1日、2日が土日であったため、3日(月)が新年度のスタートとなります。教員は県の職員で配置される学校への辞令を受け取り、所属校の勤務をスタートさせます。開校2年目となる本校は昨年度赴任した教職員ばかりで、異動が少ないのですが、「あさひ学級」で担任をされたS先生が、学校事情で半田市の学校へ異動することになりました。出会いと別れの春は、教職員の宿命です。子どもたちにとって力強く生きるロールモデルである教師は、寂しさを隠し、前向きに「笑顔の背中」を見せる必要があります。コロナ禍で中止した年もありましたが、今年度は4月14日(金)午後に「離任式」を予定しています。
*教職員の転任・赴任については、4月7日発行の学校だよりでお知らせします。
4月2日(日)「春祭り」
ウィズコロナの対応が浸透し、感染対策には留意するものの、様々な社会活動は「コロナ禍以前に元に戻す」流れにあります。昨日から今日にかけては、半島南部の至る所で「祭礼」の看板を多く見かけました。お囃子の音色や山車の練り歩きもあり、早まったサクラの開花と合わせて、春の彩りが町全体で感じられます。学校では、明日正式に新年度からの体制づくりを始めます。南知多中学校へ通う卒業生(新2・3年生)も、期待と不安が入り交じる気持ちで5日開校式を迎え、よく6日には各小学校に「ドキドキの1年生」が入学します。本校は11名(令和6年度は16名)、町全体も少子化の傾向は止まりませんが、発想を転換し、子どもたち一人一人を大切にする教育活動ができる学校が強みです。伝統を継承すること自体に意義がある春祭りを横目で見ながら、子どもの実情、保護者・地域の願い、今日的な教育課題を見据え、「最適」な教育実践を心がけていきたいと思います。
4月1日(土)「こどもまんなか」
今日から「こども家庭庁」が発足し、福祉の面で子ども支援の充実が図れます。出産育児給付金の増額や保育支援、男性の育休取得率の向上などの具体策が協議され、教育関係も同様の支援を探ることとなります。コロナ対策で無償となっていた学校給食費は、4月より有料となりますが、恒久的な財源を捻出できれば再び無償化も検討課題に上がっています。教育費の家庭負担や人権問題も含め、子どもを取り巻く日本社会の状況は、決して先進国ではありません。次世代を担う子どもたちが安心で育つ環境づくりに、社会全体で一層知恵を絞る年が「こどもまんなか元年」に求められることです。誰一人取り残さない社会の実現(SDGs)は、こどもたちの笑顔がバロメーターです。
3月31日(金)「サクラ山」

知り合いの家の近くにひとつの山全体が桜の木で覆われる場所があります。昔は、雑木林だったそうですが所有者が一念発起し、一度全ての木を伐採して、ご自身で十数年かけて桜を植えていかれたそうです。その心意気に協力者もでき、ご本人が他界された後も、維持管理され、年々サクラは大きくなり、春になると別世界をつくっています。人知れずある「サクラ山」(正式名ではありません)は、人間社会がどうであれ、毎春変わらぬ絶景を提供し続けてくれています。

※今年度、最終日までお読みいただきありがとうございました。
3月30日(木)「開校準備」
春休みに入り、1年前のみさき小学校がそうであったように、「南知多中学校」も開校準備が急ピッチで進んでいます。27日(月)には豊浜中学校から、昨日29日(水)は師崎中学校から、生徒の机・椅子や利用可能な備品が町教育委員会職員によって運び込まれ、内海・豊浜・みさきの各小学校から各4~5名の教員がお手伝いに参加しました。生徒数は現内海中学校の3倍程度で、各学年単学級から3学級へ増えるため、改装工事も今年度途中から教育活動にできるだけ影響の出ない期間を選んで急ピッチで進められました。県下でも前例のない離島を含む4中学校の閉校を経て、統合中学校の開校式は4月5日。令和5年度の町政の重点的な取組のひとつである中学校統合が、いよいよ目前に迫ってきました。遠距離通学は、校区拡大でオール南知多の支援を受けられる学校づくりの序章です。中学校生活の「新しい幸せのカタチ」が具現化されるよう、小学校も一層連携を深めていきたいと考えています。
3月29日(水)「下見」
活動における児童の安全に留意し、計画通り日程を進めることができるよう宿泊行事には下見が欠かせません。昨日、来年度の修学旅行の下見を、町内小学校が連合で実施し、宿泊地や京都分散研修でお世話になるタクシー会社と打ち合わせを現地で実施しました。折しも、古都は春真っ盛り。満開の桜が多くの観光客を呼び寄せて、駐車場が満車だったり、交通渋滞に巻き込まれたりして移動に苦労をしましたが、想定済みで、ほぼ計画通り巡ることができました。快晴の下、改めて天候の大切さを実感した旅となりました。また、過去3年は見なかったのが、外国人観光客です。宿泊地の天平旅館ロビーでは、スーツ姿でいた当方は受付係と何度も間違えられ、「係の人を呼ぶので、少し待ってて」と、片言の英語で説明して、冷や汗をかき続けました(^_^)。「フェアユー フロム?」と尋ねると、「from London」「from U.S.A」など、笑顔で会話することができました。適切な英語か分かりませんが、荷物を置いて見送る時に、「ハバァ ぐったいむ」と手を振ると、「ありがとう」を会釈をしてくださいました(なんだ、日本語できるんだ)。コロナ禍でなければ、外国から多くのお客様がやってくる世界遺産都市を、修学旅行で訪れる意義は、とてもたくさんあります。
3月28日(火)「懇親会」
社会全体でコロナに対する認識が変わっていく中、4月各地区から懇親会のお声かけをいただきました。学校では、4月から「原則 学校生活でマスクの着用を求めない」指導に転換、5月8日から感染症法上も5類への移行することから、「出席停止」の扱いも元にもどしていくこととなります。一方、懇親会等の飲食を伴う場の設定には慎重で、リバウンドも警戒する必要があり、教職員の出勤停止により「子どもたちの学びの場」を奪うことは避けたいという思いは、コロナ後も引き継がれます。私生活の制約は権限を越えますが、公的な場は校内外を問わず、「もう少し様子を見る」というのが現状の認識です。
*従来4月に実施していたPTAや教職員の歓送迎会も見送り、町PTA連絡協議会も会議のみの計画となっています。今回の区のご案内は残念ながらご辞退申し上げることとなりそうです。
3月27日(月)「運営委員会」
今日は、午後から来年度の組織や年間計画、年度当初の行事を検討する運営委員会を行いました。参加者は、「5役」と言われる校長、教頭、教務主任、校務主任、事務主事です。教職員の適材適所、業務の偏りがないように配慮しつつ教職員としての資質・能力の向上も配慮します。また、開校初年度の実績を踏まえ、学校間連携や地域連携も充実と継続が図れるようにするなど、検討事項は多岐に渡り、気がつけば終業時刻となっていました。ロジックだけではなく、フレキシブルな対応が求められる昨今ですが、しっかりと計画を立てることで、臨機応変な対応にもブレない軸をもつことになつながります。開校2年となる令和5年度も子どもたちが誇りをもち楽しみにできる学校であり、保護者の信頼と教職員の働きがいを高める学校であるために、ブラッシュアップが続きます。
*一方、本校では運営委員会の構成メンバーに女性がいないことを課題と感じています。令和4年度10校の管理職(20名)で、女性は1名でした。半島南部の町は、どこも同じ状態です。校内では職員会を重視し、課題・反省は、広く教職員が共有できる体制をとっていますが、方針や目標を立案・協議する会議にも、男女問わず幅広い知見が取り入れられるよう工夫する必要があります。
3月25日(土)「記念写真」
今日は一日あいにくの雨となりましたが、社会では、規制のない花見が3年ぶりに行われるようになり、春の雰囲気に満ちています。校章のデザインに取り入れられているように、校庭を囲うように生えるソメイヨシノは、本校のシンボルでもあります。中には河津桜、学級園にはハナモモもあり、満開の時期のバトンダッチで、春という季節の歩みを目でしっかり確認することができます。温暖化の影響で、ソメイヨシノの満開は、4月6日(木)の入学式を待ってはくれないようですが、葉桜や新緑の芽吹きも写真にはよく映えます。少しの休息をいただいた後は、新1年生とご家族の学校生活最初の記念写真が、彩りの中で撮影できるよう準備を進めていきます。


3月24日(金)「ようっ!」
朝正門で子どもたちを迎えていると、はたけの先生Sさん(81歳)が時々自転車で通りかかり、「ようっ」と声をかけてくださいます。Sさんは、2年生の学級園(畑)の管理・生活科のゲストティーチャーをボランティアを引き受けてくださっています。また、師崎小時代から、正門から校舎に続く道沿いにある花壇に、手作りの風車を4つ寄贈され、強風や老朽化で破損する度に、新しい風車と交換してくださいます。花壇に花がない冬の時期も、冷たい季節風を受けて元気よく回る風車に励まされていました。今は、パンジーの彩りが加わる春の花壇。昨日お会いした際には、「入学式までに、はたけ耕しておくでな。そろそろイモを植えられるようにせないかん。・・・なんでもやるで、またそう言ってな」と、坂道を電動自転車で駆け上って行かれました。Sさんに限らず、学校を支援してくださるこうした方の力で、みさき小は本日修了式を迎えることができました。
*本校は、春休みを経て1歳の誕生日を迎えます。一年間、多くの皆様にお支えいただき有り難うございました。
3月23日(木)「パブリックビューイング」
連日のWBC話題で恐縮です。日本が進出した決勝戦は、破壊力抜群のアメリカ打線を、7人の投手をつぎ込んでロースコアの展開に持ち込み、3:2で見事に優勝を飾りました。決勝という次がない試合であったからこそ、選手投入は惜しみなく、ベンチが一体となって目標であった「世界一」を手にすることができました。選手個々の目標は、違って当たり前ですが、選手個々とチームの目標が「世界一」で重なったのは、監督や年長のダルビッシュ選手の言動が大きかったに他なりません。日頃から子どもたちには、心を重ねる経験(学校でしかできないこと)を少しでも多く積んで欲しいと願っています。5年生担任のH先生から、「大放課に5年生にWBCを見せて良いですか?」と、相談がありました。ちょうど、教務主任M先生と、試合中どこかでパブリックビューイングみたいに、希望する子どもたちに試合を見る機会を設けてもいいと話していたところでしたので、大放課にみさきルームで、希望する児童を対象に授業に影響のない時間限定(20分)で場を設けることにしました。1~5年生、50名ほどと手の空いた先生が集まり、決勝戦に声援を送りました。参加は任意ですが、多くの児童に教育活動として計画にない素敵な時間を与えてくれた日米両チームに感謝したいと思います。「日本がWBC優勝した時に、みんなと集まって応援した」という経験は、きっと子どもたちの生きる力にプラスとなるはずです。

3月22日(水)「ファーストストライク」
WBCの激戦を引きずって、野球の話で恐縮です。打者が安打を打つ確率を打率といいます。打率の高さはよいバッターの目安となります。3割打てば名選手と言われますが、WBCの短期決戦では、大谷選手や吉田選手のように5割近い打率を残している選手もいる一方、村上選手のように2割そこそこで不振にあえぐ打者もいます。同じ傑出した選手なのに、打率が2割以上違ってしまう理由は一つではありませんが、大きな要因の一つにファーストストライクの打撃にあると感じています。打撃理論では、同じ打者でも何球目に打つかで打率が変わってきます。ピッチャー心理は、ストライク先行なので、いわゆる「甘い球」「失投」は始めに生じやすく、カウントが整うとコースを狙えるようになります。よって、打率は狙い球を絞ってファーストストライクを狙う方が高くなります。投手の球数を多くする「待球戦法」という手法もありますが、コントロールのいいWBCレベルの投手からすると、いつ打ってくるか分からない打者の方が、一球一球に神経をすり減らす「力投」を強いられ、結果的に3イニングを越える頃から右肩下がりの投球となっていきます。先に挙げた大谷選手や四番を打つ吉田選手は、ファーストストライクからフルスイング姿がよく身につきます。一方、不振だった村上選手は、ファーストストライクの甘い球を見逃し、追い込まれて日本より広い審判のストライクゾーンに戸惑う姿がよく見られました。昨夜の準決勝も、4打席目までは3三振と三塁ファールフライアウトで、重圧と闘い、追い込まれている姿が見られました。それでも、「信じ、待つ」姿勢で、若い日本のスラッガーに、監督は代打を出さずに打席に立たせ続けました。ファーストストライクをフルスイングするようになり、3球目の甘いストライクを見事とらえ、サヨナラ勝ちのヒーローとなりました。野球の神様を味方につけるには、セオリーに立ち返って結果がでない理由を明らかにして、勝負をあきらめない・信じることに尽きます。
3月21日(火)「持ち味」
人それぞれ個性をもっています。同質社会の中では、「出る杭は打たれる」という格言が当てはまってしまうこともありますが、豊かな社会は、個人のしあわせの集合体であることを考えると、個性(=生まれ持ったもしくは長年培ってきた特性)の尊重は、しあわせな社会の前提です。個性というと固いイメージですが、「持ち味」と言えば、個を尊重した表現となります。先生は子どもが喜ぶ(=成長の糧となる)自分なりの持ち味を模索し、探究し続ける職でもあります。チームワークを乱す独りよがりの持ち味は、結果として子どもによい影響を及ぼしませんが、多くの場合は、子どもたちが優しく受け入れてくれます。凡庸でこれといった取り柄がない当方は、多様な持ち味をもつ先生たちの「調整役」というポジションで、なんとか教職を続けてきています。当方の「持ち味」として認められるには、ご迷惑をおかけすることも多く、まだまだ道半ばです。
3月20日(月)「バイプレーヤー」
今日の卒業式は春の好天に恵まれ、映画のような光景が幾所で見られました。子どもたちの主役は6年生ですが、バイプレーヤー(脇役)の動きで成否が決まることは、式典も映画も同じです。好天をもたらす力は人にはありませんので、雨天、雨上がりを想定し、準備を進めます。6年生が目にする場の飾り付け、土日を挟む会場の花の管理、休み明けの6年生が歩く通路の清掃、欠席者や体調不良者が出た時の対応、保護者駐車場となる運動場の整備、記念写真を想定した卒業式看板の設置、記録写真係の依頼、送り出す在校生の動機付け、開校初年を支えて下さったご来賓・保護者の対応等、当日は目に見えない教職員のバイプレーヤーがあってこそ、素敵な卒業式が創り上げられていきました。
子どもたちのバイプレーヤー1番手は、4・5年生ですが、卒業式準備期間に、6年生からバトンを受け継ぐ大きな成長を遂げました。2学年をまたぐよびかけ、難易度が高い在校生の歌は当初戸惑いさえ感じられましたが、朝練の積み重ねで共に自分たちのものにすることができました。会場準備を担当の教員と進める姿からは、来年度、自分たちが学校づくりをしていく自覚が感じられ、卒業式の成功は約束されたと感じました。卒業式が、「学校行事の中で一番大切」と位置付けするのは、6年間の小学校生活の集大成であることはもちろんですが、在校生を含め参加する子どもたちが一番成長する主体的・協働的な学びの機会であるためです。
*今年度は、体育館の収容量の関係から、参加児童を4年生以上とさせていただきました。先に見送りの会をし、当日は「家庭学習日」として過ごした1~3年生も、6年生思いのバイプレーヤーです。
*なお、バイプレーヤーは和製英語で、外国人には通用しないそうです。外国語の学習では使わないようにしてください。英語ではサポーターの方が適当かもしれません。
3月19日(日)「閉校式典」
みさき小学校が誕生する前の昨年3月、大井小学校と師崎小学校の閉校式典が行われました。この3月は、「南知多中学校」誕生のために、町内4中学校が閉校式典を行います。昨日18日(土)、5年間南知多中が施設を受け継ぐ現内海中学校で閉校式典が行われました。私にとっては母校であり、歴代校長の一人でもある学校で、前校長の本校校務主任K先生と一緒に参加をしました。閉校の寂しさは感じましたが、新しい学校誕生の節目として期待の方が上回っている印象を受けました。式典の中では、教育委員会の告辞や校旗返納、卒業生を代表して3名の方の思い出をふりかえるお話があり、その後のアトラクションで、卒業生で日間賀小中学校で昨年度まで教員をしていた日比さんと、音楽の道を歩む歌手の鈴木さんがミニコンサートを開き、参加した生徒に夢を与えていました。先が見えない予測が難しい社会に生き抜くためには、「変化を味方につける力」が必要です。先日の「南知多中交流会」の生徒の姿、閉校式典の様子を見ても、多くの児童生徒は、その準備がしっかりできているという頼もしさを感じました。(記録写真は、メニュー「南知多中学校情報」にアップしています)3月26日(日)午前、師崎中学校閉校式典が締めくくりとなります。同一校区の小学校長として参加させていただきます。その模様はトップページで紹介いたします。
3月18日(土)「コウチョウナニシトル?」
「おはよう」「こんにちは」「さようなら」など、あいさつには時、場、相手に応じて、いろいろな言葉がありますが、最近ある1年生は、当方の顔を見ると「コウチョウナニシトル?」と、声をかけてきてくれます。「草取りだよ」「お花に水やりだよ」「ペンキ塗りだよ」「ホームページに載せる写真を撮っているんだよ」等と、している作業を説明しますが、当人にとっては声かけの枕詞のようで、回答にはあまり関心がないようです(^_^)。「校長」と呼び捨てにしてはいけないという見方もありますが、肩書きは職名であるとともに、名前の後につける場合は敬称でもあります(例 岸田総理大臣)。1年生がそこまで意識しているわけではないと思いますが、使い分けの分かる学年になったら、説明をしたいと思います。
*「校長先生」「教頭先生」という言い方は誤用ではなく、職名として「校長」「教頭」を使い、先生同士や保護者の皆様が職名+敬称という使い方を敬意を込めてしていただいていることが、子どもたちに広がってきたと考えられます。先生たちの中にも言葉遣いにこだわっている方がおり、「校長先生」とは言わない人がいます。「校長、ちょっといいですか?」は、使い方としては正しい。職名の前に、「おいっ」が着いていなければ、心穏やかに接したいと思います。
3月17日(金)「地域の核」
公立小中学校の役割として、子どもたちの健全な成長を期し、人格の完成を図ることはもちろんですが、もうひとつの役割として「地域の核」になることが上げられます。校区が指定され、その地区に育つ子どもたちには、生活する地域に愛着と誇りを持ち、将来社会の形成者となる力を育てることが、自分も周囲も幸せになるために必要なことであるからです。小学校区は南知多町内では以前は8つ、今年度は5つの学校区に再編されました。今年度「一小一中」の関係でしたが、来年度は、4中が集う「南知多中学校」の開校により、これまでの校区との連携は、小学校が核となることが求められます。今朝の中日新聞知多版には、南知多中学校統合に関する連載記事が載っており、師崎区長の黒田様のコメントがいくつか紹介されていました。少子化の進むまちにあって、「子どもは地域の宝」という認識がより高まっていきます。子育てに関し、家庭・学校・地域が共通の願いをもって手を携え、誰一人取り残されない(SDGs)子どもたちが生きやすい社会を構築を、小規模校こそ進めていくことが大切です。
3月16日(木)「LGBTQ+」
先進国の中で、伝統的な家族観が重んじられ人権への配慮が遅れる日本社会。学校教育でも、人権教育は推進されていますが、子どもたちにだけ変化を求めるのではなく、社会全体が多様な価値観を共有すること(大人がまず変わること)が必要です。「家族のカタチ」が変わると言われているのがLGBTQ+の問題です。「同性のカップル」だけでなく、子どもの有無をはじめ、社会基盤にも大きな影響を与えます。問題なのは、性が変化できる嗜好ではなく、生まれ持った特性であることが認識されていない点です。「男女のカップル」が正常という考え方は、こうした特性をもった人たちに「無理解」を突きつけ、生きづらい社会を強いることになります。同質・一つの価値観を強制される社会よりも、カラフルな社会の方が、安心して自分らしさを発揮できることは世界の情勢が示してくれています。10人に1人程度と言われるLGBTQ+に限らず、多様性への転換は、将来世代が豊かな生活をするための舵取りです。社会問題が生じるとすぐに学校教育に改善が求められがちですが、大人が率先して変わる(認識を改め実践する)こととの両立で、問題は大きく改善されます。
3月15日(水)「キャラ弁」
お弁当を作る際に、蓋を開けた時の笑顔を期待して、盛り付けにひと工夫する方法として「キャラクター」などに似せた飾りをすることが流行して久しくなっています。キャラクターとはいかないものの、校外学習等で持参する児童のお弁当からは、作ってくださったご家族の愛情があふれたものばかりで、子どもたちの笑みにつながっています。当方がほぼ毎日紹介している給食の盛り付けも、給食に携わる皆様の愛情をお伝えしたくて食材を少し動かして目や口に見えるようにしたものをアップしてきました。学校給食会食の楽しさが伝わることをねらいとしていましたが、「不適切」とのご意見もうかがいました。今日からは通常の盛り付けに戻したいと思います。日々ごちそうをありがとうございます。

ポークビーンズ、クロスロールパン、牛乳」
3月14日(火)「らしく」
日本文化の中では、「~らしく」ということが重んじられてきました。島国の小国で、同調性が重んじられる環境にあり、それ故に世界的にも評価される独自文化が発展しています。一方で、「子どもらしく」「大人らしく」や「男らしく」「女らしく」のように、その意識は時に、人々を二分化し、極端な見方・価値観を助長してしまいます。その結果、「子どもでも大人でもない世代(若者)」「男、女と区別されることに思い悩む人たち」等の中間層には、住みづらい社会を創っているようにも反省します。政治家でさえ、「日本らしさが“美”」という意識が固結し、在留外国人やLGBTQの問題で、不適切な発言が続きます。グローバル化が進み世界に通じる時代にあって、「らしく」は「自分らしく」と自尊心を高める意識に留め、他者にあてはめない「多様性」を重んじる社会に移行しつつあることを、私たち教員を含め、指導的な立場の人は肝に銘じる必要があります。
3月13日(月)「観光」
子どもの時に見た地元の花火大会の仕掛け花火で、「観光の南知多」という文字が目に焼き付いています。小学生でしたので、「観光」の意味は正確に知りませんでしたが、漁業でも農業でも工業でもなく、「観光なんだ」と思った記憶が残っています(大きくなって、スポンサーが「名鉄」であったことを思い起こし、納得)。一昨日、用があってみさき小まで2往復しましたが、港の駐車場電光掲示板は「満車」の文字が光り、崖岸沿いの道は交通量が多く、お昼時の飲食店はとても混んでいました。コロナ禍が収束に向かっていることを改めて実感しています。新規感染がなくなった訳ではありませんが、人々がコロナを、「得体の知れない、あってはならない病気」という位置づけをしなくなったためでしょう。今日から、社会はマスクの着用についても認識を改めます。ちょうど花粉症が最も厳しい時期で、屋外ではマスクが欠かせない人も多くいます。学校では、場に応じた着用を個人の判断で行うことができるよう少しずつ移行していきます。児童が常備すべき衛生用品として、ハンカチ、ティッシュに、マスクが加わることになります。感染症が大流行すると大きな打撃を受けるのが「観光」であることは、コロナ禍で思い知らされました。豊かな自然が残り、美味しい食材で人々を惹きつける観光のまちであるからこそ、感染対策に適切な判断と対応ができる子どもたちを育てていきたいと思います。(学校における感染対策の変更については、随時文書と当ページでお知らせしていきます。まずは、卒業式からとなります)
3月12日(日)「ポンポコ」
しばらく姿を見かけませんでしたが、昨日2匹のタヌキが自宅近くを散歩していました。以前は、親子5匹が庭をけもの道として通過する姿がよく見られ、家の中から応援と観察をしていました。ジブリ作品の「平成狸合戦ぽんぽこ」のセリフに、「どっこい生きている」がありますが、環境に適応し生きる力は見習うことも多いように感じます。以前流行った「動物占い」の診断結果、当方は「タヌキ」でした。愛着があるのは、前世がそうであったのかもしれません。撮影写真を見ると、人のつくった社会で生き抜く厳しさも感じられますが、「そんなに見ないで」とも言いたげにひょうひょうとふりかえり、立ち去る姿に生命力を感じました。


3月11日(土)「サムライ」
ラグビーやサッカーワールドカップに続き、野球のワールドカップとも言える「WBC」で日本中が盛り上がりつつあります。日本の野球史上最強とも言えるメンバーで、「世界一」を全選手が目標に掲げ、合宿から強化試合、2戦目まで終えた予選リーグの闘いぶりは頼もしさそのものです。勝ち負けに目がいきがちですが、苦しい展開を耐え忍び、自分のためより「チームのため」に一丸となって闘う姿は、主体的な社会の形成者を育てる教育のよいモデルとなります。トップバッターの大リーガー選手(アメリカ国籍ですが、母親が日本人のため規定で日本チームに参加可)が持ち込んだ塁に出るとするガッツポーズは、「つなぐ」という意味が込められています。これまでのさまざまなスポーツの大会がそうであったように、鍛えられたトップアスリートが残す言葉にも注目です。ただ単に相手に勝つだけでなく、その過程や逆境を乗り越える強さ、チームとしてのまとまり方、相手への敬意、サポーターへの感謝など、いろいろなことを学ぶ機会として、大好きな野球を見つめたいと思います。
*日本の四番、最年少三冠王の村上選手の調子が上がっていないように見えますが、ボール球に手を出さない選球眼のよさが、国際審判の判定と合っていない場面も何度か見られました。警戒される四番には、相手投手も最新の注意を払い、いわゆる「甘い球」は極端に少なくなります。つなぐを意識し、甘いファーストストライクを見逃すスタイルは、結果として追い込まれて打ち損じたり、見逃しの三振に終わる打席の繰り返しとなっています。チームの好調時に実力を発揮できていない個人は辛い思いをしますが、チームが苦しむ時に力を発揮するのが四番の役割、今は冷静に「その時を待つ」でよい。
3月10日(金)「教科指導」
子どもたちの学力を高めるために、指導内容を特性別に分けた「教科指導」が行われます。小学校においては、国語、社会、算数、理科、音楽、図画工作、家庭科、体育に、最近は外国語と道徳が教科として加わりました。中学校においては、教科別に免許をもった教員が専門性を生かした指導をしていますが、小学校は担任が行うことが前提となった教員定数となっています。国もその指導負担を勘案し、中学校と同じように教科の専門性が問われる高学年から一部の教科で専科制を進めています。教育予算が不十分なことから、対象教科の免許を有する非常勤講師の配置で対応としようとしていますが、パズルのように各学校にニーズに合わせた講師の先生が控えているわけではありません。何より、時間数が限られた講師だけでは生活が出来ません。近年問題が表面化している「教師不足」は、こうした背景もあります。
幸い本校では、外国語と少人数指導で複数の講師の先生が確保でき、町による情報教育アドバイザーや外国語ALTの配置、学校統合による本務教員1名の加配(定数プラス1)で、子どもたちに手厚い教科指導が行われています。さらに、次年度は高学年の算数科にも試行的に中学校数学免許を有する講師が配置される予定です。外国語科だけでなく、各教科で「昔はもう少し上学年で学習していた内容が1,2学年前倒しとなっている」ことが少なくありません。さらにICT機器の活用で、教材研究や準備に時間を要するようにもなっています。一人の先生がすべてを指導するのではなく、それぞれの専門性や経験値を生かしたチームでの指導体制を組むことが出来るかが、小学校の学習指導でも問われています。
3月9日(木)「教職員の義務」
新しく教職員となった際、また教職員を続ける上で常に意識することを求められる2つの義務が教職員にはあります。1つは職務上の義務(①服務の宣誓、②法令などに従う義務、③上司の職務上の命令に従う義務、④職務に専念する義務)です。ひとくくりにすると、学校組織の一員として、公務員としての義務を尽くすことを求めています。2つめは、身分上の義務(①信用失墜行為の禁止、②秘密を守る義務、③政治的行為の制限、④争議行為の禁止)です。ひとくくりにすると、教職員としての信頼を得るために必要な職務外の行いやその制限で、遵守することで学校や教職員個人への信頼が保たれます。固く小難しい内容となりましたが、「交通規則違反」や「情報漏洩」等で、一般社会以上に厳しい処分が科されるのは、学校教育の基盤である「教職員一人一人への信頼」を大切にするが故です。先生と言えば、真面目で少し堅い職というイメージは、求められる資質や特性と重なっているためです。(だから、笑顔も欠かせません)

「いつも、ご理解ご支援をありがとうございます」
3月8日(水)「鶯(うぐいす)初鳴き」
7時50分頃正門で立ち番をするのが日課となっていますが、今朝は今年初めて鶯の声を聞きました。鳴き始めは、「ホーホケキョ」とは聞こえないのが通常と思っていましたが、しっかりとした「ホーホケキョ」でした。一気に温かくなったことが影響しているのでしょうか。昨日、学校の裏山を30分ほど探検し、鶯の姿を探しましたが、残念ながら声を聞くこともできませんでした。今朝の鶯のあいさつは、「昨日は、るすしてごめんね」と言っているようでした。「いえいえ、春の訪れを知らせてくれてありがとう」
