校長室だよりスピンオフ~指導者から伴走者へ~

12月18日(日)

AIの普及で10年後には半数の仕事がなくなっていく・変わっていくと言われる変化の激しい時代です。関連本で、残る職業の中に「教職」があり少しほっとしていますが、職種としては残っても、期待やニーズは変化し、それに合わせて業務内容も大きく変えなければ、教職も例外ではありません。授業についても、昔は文字通り「業を授ける(授かる)」スタイルで、研鑽と修養(研修)により指導者がもっている知識や業を伝える方式が中心で、それ故「教師」としてリスペクトされる存在でもありました。時代の変化が激しく教師がもっていることを学ぶだけでは、子どもたちが将来向き合う課題解決につながらないようになり、「自ら課題を見つけ、見通しをもって追究し、自分なりの答えを見つけ表現する」さらに「主体的・対話的で深い学び」へと学習スタイルが高次へ移行しました。予測した目標を指し示し教え導く監督・指導者から、教師が未経験なことも一緒に、時に後方からもサポートするコーチ・伴走者の役割、「君はどう生きるか」を問い支援するのがこれからの教師像です。失敗も成功もともに学ぶ姿勢で、主体者はあくまで子どもたち。サッカーW杯ベスト16に導いた日本代表監督森保氏の言動が評価されていますが、選手たちのパフォーマンスは、多くの選手が現役時代の森保選手(ドーハの悲劇でW杯出場を逃す)を越えています。高所立って引き上げるのではなく、失敗・批判は共に受けながら、対話によって課題を克服する力を身につけるまでサポートし続ける姿勢が、これからの教師(共師)像に重なります。