校長室だよりスピンオフ~卒業担任の涙~

3月20日(土)

数ある学校行事で、一番大切なのが「卒業式」です。よって、子どもたちの小学校生活の「最後の一年」を担任するということは、他学年とは違う“重責”があります。今年度担任のT先生は、初めての6年生担任で、コロナ禍による約2ヶ月遅れの始業、修学旅行の延期、遅れた授業進度の回復など、先生としても戸惑いや苦労の多い一年となりました。単学級では、子どもたちの出会いの機会を確保するため毎年担任を変えることを原則ともしており、できあがった集団である子どもたちと信頼関係を築くことも、高学年は低学年とは違う難しさがあります。しかし、和気藹々仲の良さを持ち味とする34名の6年生からは、結婚式や誕生日にT先生を喜ばせるサプライズの「おめでとう」企画が生まれました。児童会担当でもあるT先生も子どもたちの期待に応えようと、「運動会」「学芸会」などの学校行事や「愛校作業」「卒業制作」「アルバムづくり」『サプライズの明治村見学」「卒業式準備」など、卒業までの最後の直線を、もう一人の6年生担任である校務主任N先生のサポートを得ながら、涙の瞬間まで子どもたちと共に駆け抜けることができました。私自身も、7度卒業担任をいただきましたが、卒業前夜は毎回、「あのときは、~すればよかった」「子どもたちにもっと~できた」と悔いることばかりでした。卒業式の涙は、「後悔」や「寂しさ」とはちがい、「喜び」とも違う担任しかもてない「謙虚」と「感謝」の感情から湧き起こります。「涙の数だけ強くなれるよ」と、昔の流行歌にありましたが、子どもと一緒にたどり着いたゴールの涙は、教員人生をより豊かにしてくれます。(一年間、陰日向のご支援ご協力ありがとうございました)

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