校長室だより「海っ子」スピンオフ~式辞「夢と愛」~

3月19日(土)

卒業式で、参加者の誰もが内心思う校長式辞の長さ。教職員を代表する校長として、卒業生に語りかける最後の場、6年間学校へ通わせ続けていただいた保護者や陰でお支えいただいたご来賓への感謝の場と思うからこそ、どうしても時間が長くなってしまい、不評を買います。私自身式辞は5度目となりますが、過去の四回はそうした反省をしつつも、改善が図れませんでした。子どもたちに成長を求めるからには、何か目立たない程度の工夫はできないかと常々考えていました。そんな3月上旬、6年生外国語の授業を参観していたときに、「What do you want to be ?」の問いに、「I want to be・・」の後に続く言葉を考えるのに苦労している児童の姿を感じました。英語そのものではなく、将来なりたい自分(夢)を決めかねている。6年生であれば、夢が変わることは当然ですが、小学生だからこそ実現の可能性を度外視し、大きな夢をもっていてほしいと常々思っています。「感染症、自然災害、そして戦争」という先の見えない時代だからこそ、子どもたちが湧き起こる夢に突き動かされて始動する場を提供するには、まだまだ力を尽くさないといけない状態であることを実感しました。

思わず、「卒業証書を渡す時に、『beの後に続くこと』を尋ねます」と6年生に伝えました。時間を一人一人が際立つ証書授与で使うことで、式辞を短くすることにもなると考えました。6年生は緊張する中、「want to be?」の問いに、「(I want to)be ○○」と、それぞれの声で答えました。中には、「happy」「thinking」もありましたが、まっすぐ正直な答えで、証書を受け取る手は力強く感じました。

第一卒業式では式辞の後に、「人は、水と食量があれば”人類”としては生きられる。でも、夢と愛がないと”人間”にはなれない。それを(子どもの時に)育てるのが家庭と学校」と付け加え、中学校の一層の飛躍を願いました。時間は2分ほど、私の校長力では時間短縮はこれが限界でした(お詫び)が、第二、第三を含め、夢を語る資格が無条件に与えられる子どもたちが、「本当の夢と愛」について考えるきっかけ・記憶となれば幸いです。「貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」

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