校長室だより「シン 指導観」

3月17日(日)

当方が子どもの頃(高度経済成長の後半)の昭和の時代は、「いい先生=高い指導力」で、リーダーシップの強い先生がテレビドラマでもてはやされていました。バブル崩壊後長い低迷期に入ると、リーダーが目標を指し示し突き進むことの危うさから、「いい先生=柔軟な支援・高い調整力」と、その理想像が変化してきます。端的に言えば「オレ(わたし)についてこい」ではなく、「君たちはどう生きるのか」でしょう。それとともに、「チーム学校」が進み、教員免許をもつ者以外にも、さまざまな専門性をもつ方々(支援員、ALT、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校支援ボランティア等)が学校組織に加わり、多機能化が進められました。小学校の授業では一人の学級担任が前に立つばかりではなく、専科化が進んだり、地域と協働したり、他校と交流したり、専門性の高いゲストティーチャーを子どもたちに出会わせたりして、共に学ぶ伴走型支援(*)が求められています。学校の先生は、大きな可能性をもつ子どもたちとともに、試行錯誤しながら失敗も成功も共有し、ゴール直前まで併走する指導観をもつことが資質として求められるようになりました。

卒業式まであと2日。先行き不透明な時代では、大人の経験値が通用しないことも多くあります。「大人に言えば解決してくれる」ではなく、「考えが整ったら、また自分で進みたい」と、子どもが主体的に思えることを善とする指導観を大切にしたいと思っています。