土曜学級2(家庭教育教室兼学校保健委員会)

6月22日(土)

本日,2時間目に1~3年生の部,3時間目に4~6年生の部として,保護者約60名ほどのご参加をいただき,第1回学校保健委員会を開催しました。テーマは,「どう守る?デジタルネイティブの子どもの脳~小さい時が勝負 早ければ早いほどよい~」です。トヨタ記念病院の医師でもある磯村 毅氏に講演をいただき,子どものデジタル機器の使い方についての現状と脳への影響について,子どもたち,保護者・教師にわかりやすくご説明いただきました。生活力や学力・運動能力など,子どもたちに育みたい力全般に大きな影響を及ぼす「スマホ・ゲーム依存」について再認識で,家庭・学校で取り組むべき健康課題が明確になりました。

<スマホ・ゲーム依存は、“ギャンブル依存”と同じ>

講師I氏は、講演の中で、スマホ・ゲームの脳への刺激は、「野球、サッカーや包丁とはちがう」と力説されていました。「いくら野球が好きでも徹夜でやる人はない」「『使い方が問題。包丁だって使い方を間違えればけがをする。スマホ・ゲームも同じでしょう』という人がいるが、包丁を使うのは限定的。スマホ・ゲームは際限がなくなるから、脳への影響(毒性)が全く違う。使い方ではなく、使うかどうかに着目」という言葉には、説得力があります。やめられなくなるという点では、大リーガー大谷選手通訳者のギャンブル依存(治療が必要)に似ています。未成年は、ギャンブルは禁止です。スマホ使用も、脳機能が発達し、自己抑制ができるようになってからでも遅くありません。「子ども時代は、バーチャルではなくリアルな体験を重視し、感性の伸長や感動体験の蓄積を大切にしてほしい」という強いメッセージを送ってくださいました。

朝(午前中が低調)で、午後から元気になる児童の割合が増えています。また、話しかけても視線が合わず、授業中に課題解決に集中力が持続しない児童は、アンダーアチーバー(もっている知能に対して学力が低い)傾向にあります。刺激が強い画像情報に慣れ(=中毒化)、文章を読んだり、話しかけられたりすることへの受信力が育っていないことが推察されます。先天的な特性ではなく、後天的なスマホ・ゲーム依存が原因であれば、環境を変えることで「もっている力を発揮できる可能性」が高まります。個別の努力ではなく、連帯(家庭・学校・社会)の対応が必要です。大人の責任として、最新の知見を生かしてまいりましょう。(校長)