校長室だより「オリンピックのある夏」

7月29日(月)

連日猛暑が続きますが、4年に一度の夏のオリンピックが開催されているパリも熱い夏となっています。3年前コロナ禍で開催の是非を問われた東京大会。オリンピックが開かれることの意義をかみしめたことを忘れたかのように、オリンピックをメダルの数で評価する報道もあります。アスリートと言われる人たちのこれまでの努力や、選考から漏れた各種目を支える多くの競技者、関係者のことを考えれば、別の評価の方が教育的には正しいと思います。

勝ってみせる「笑顔」、負けて流す「涙」ともに同等の価値があり、結果を素直に受け入れる「潔さ」も、「こんなはずではない」とリベンジを誓うのも、選手のおかれた状況の違いで是非はありません。自国に初めて柔道で金メダルをもたらした女子選手は、目標にしていた選手に勝っても、その選手へのリスペクトから畳の上ではまったく表情を変えませんでした。競技後に、常に相手選手の健闘を讃える文化が根付く新しい種目もあります。2024フランス大会が、純粋に「平和の祭典」としてスポーツの力を子どもたちに広め、子ども時代の思い出(憧れ・夢)となることを切に願っています。