校長室だより「こころの補修」

7月17日(水)

 夏休みまであと3日となりました。今週は、全校5時間授業ということもあり、朝の登校の風景もいつも以上に顔が上がり元気な印象です。ある低学年児童は、バスの運転手さんに「ありがとうございました」と、響き渡る声であいさつをして下車していきました。近くにいたお兄さんに、「弟、成長しているね」と言うと、「いえ、まだまだです。それくらい言えて当たり前です」の返答。身内には厳しいようです。 

 7月に入り、梅雨末期の長雨が、校舎と体育館をつなぐ渡り廊下に雨漏り箇所が多いことを教えてくれました。すぐに補修をしたかったのですが、鉄製の屋根が完全に乾くのタイミングが在校時間と合わず、2週間も経ってしまいました。今日はようやく夏の日差しが戻り、給食の時間(校長は検食のため、児童より30分以上早くおいしい給食をいただいています。「本日もごちそうさまでした」)に、20箇所近い数の穴をコーキングやアルミ製のテープで塞ぐ作業をしました。屋根に登っている校長に気付いた児童が、教室から思い思いに声をかけてきてくれます。

「校長先生、そんなとこで何してる?」は、一般的なよくある質問。子どもにすれば声かけの枕詞のようなものです。面白い答え方はないかと思案しますが思いつかず、「こころの補修」と答えました。声をかけた児童は、もう姿がありませんでした。

「校長先生、気をつけてください」は、危なっかしい校長をみて黙っていられない高学年の優しさが伝わってきます。

「校長先生、お疲れさまです」は、労いの気持ちが座っている足のしびれを笑みに換えてくれます。さすが、あと半年あまりで卒業する6年生です。

子どもたちが自分の言葉で語りかけてくれる時は、教師冥利につきる瞬間です。先日、登校後の6年生男子が嬉しそうに「校長先生、アサガオが変なところに生えている」と、こぼれ種の秘密を、笑顔で教えてくれました。

雨漏りすべてを見つけ塞げたかどうかは、次の雨を待つこととなります。また、水やりの範囲外にたくましく芽を出したアサガオにも雨は待ち遠しいはず。そう考えると、雨も楽しみに思えてきました。 (駄文を最後までお読みいただきありがとうございました)