校長室だより「読書タイム~読み聞かせ~」

5月17日(金)

図書委員会の活動の一環として、児童委員による読み聞かせの他、教員も交代でお薦めの本を読み聞かせする活動を行っています。担当する子どもたちにどんな本を読み聞かせをしたらよいかを考える時間は、小学校の教師冥利に尽きる機会です。1,2年生には、言葉は少なめで、絵もユニークな本。語彙が増える3年生以上は、少し文章量が多い図書を選びます。5、6年生は読み切りではなく、「あとを手に取って読んでください」とブックトークに置き換えたりもします。大切なのは、良書との出会いの機会をつくることと、「先生も本が好きなんだ」と感じてもらうことだと考えています。

昨日、6年生には、①「だいすき大愛知」の師崎に関わるページ、②社会科資料集の中で修学旅行の見学地に関わるページ、③超勉強法「アウトプット大全」の3つの中から、児童の多数決で選ばれた②を紹介しました。物語文ではありませんが、「摂政」をキーワードに聖徳大師や藤原道長など、飛鳥時代~平安時代のキーパーソンと歴史的建造物を結びつける解説は、修学旅行の意義を再認識する機会となったようです(願い半分)。本をきっかけに、興味関心を高めリアルな体験を求める学びの姿勢をもってくれれば幸いです(強要ではありません)。

*修学旅行1日目の最初の見学地は、世界最古の木造建築物として日本で最初に世界遺産に認定された法隆寺です。歴史的偉人の代表格「聖徳太子」が天皇中心の国づくりを進めようと仏教普及のシンボルとして奈良盆地の北西部に建立しました。諸説ありますが、大和川を遡ってやってくる訪日外国人に、「日本にも優れた仏教寺院がある」と誇示するためにその場が選ばれたという説もあります。タイムスリップして聖徳太子に真意を尋ねることはできませんが、当時の偉人の気持ちになって考える楽しさを味わえるエピソードです。(ちなみに、聖徳太子本人は、自分を「聖徳太子」と名乗っていた訳ではありません)