校長室だより「統合」~一律から多様へ~

3月16日(土)

この年度末で、本校は統合2年、南知多中学校は開校年度を終えます。開校後に両校で行ったアンケートでは、統合に肯定的な意見が、子ども・保護者それぞれ8割近くにのぼり、開校前を大きく上回る結果となりました。人数が増えることのメリット・デメリットは、4校が統合した中学校の方がより大きく感じられます。1クラスから3クラス規模へ、1学級の人数も小学校の20名ほどから、中学校は当面30名ほどの学級規模を維持します。同じ制服を着て、教室が狭く感じる空間で過ごすこと、先生が毎時間入れ替わること、学校生活で一人一人に選択の機会が多くなることなど、子どもたちには「変化への適応力・対応力」が問われます。一方で、「主体的・対話的」「個別最適」「協働的」など、一人一人の違いを大切にした学びを重視する実践が、各校で進んでいます。一律・一様の「みんないっしょ」を最高善とするのではなく、これからの社会を見通し、多様性の強さ・たくましさを実感できる学びの場づくりです。試行錯誤しながら、「みんなちがって、みんないい」日常の環境が、統合により前進しつつあります。

校長室だより「中学校制服検討準備」

3月15日(金)

知多地方でも各市町で中学校の制服に見直しが進んでいます。これまでは、男女で区別した詰め襟学生服とセーラー服が主流でしたが、性差で区別しないブレザー化が進んでいます。日本社会に根付く体の性に基づく区別の慣習は、世界的には人権問題となるほど、対応の遅れを指摘する声もあります。性差には、「体」「心」「好み」の3観点があり、「体」の性のみに基づく制服規定は、「心」や「好み」への配慮を欠き、潜在的には10人に1人といわれれる性的マイノリティーの問題を無視しているというものです。多感で心情が大きく揺れ動く中高生の時期は、毎日着用する制服が好きでいられるか(プライド)は、大きな問題です。「たかが制服、されど制服」、中学3年生の高校選択の条件に、制服は大きな要素を占めています。「いっそ自由化しては?」という大人の声も一部ありますが、中高生の意見は「制服があった方が良い」が多数派でもあります。着心地、耐久性、価格、デザインの4要素を課題に、子どもたちの意見を取り入れた制服検討が来年度本格化します。